今回は「2代目 ホンダ レジェンド a TOURING」を旧型レポートします。
この2代目 ホンダ レジェンドは、1990年に登場したLクラスのプレミアム・セダンです。
当時のアメリカ市場では、月に6000台以上を売り上げる大ヒットとなっていました。
現代の車と比べるとそうれほど大きいという訳ではありませんが、当時は5ナンバー主体の車社会です。大きく長く幅広いレジェンドのプロポーションは、とてもカッコよく感じられました。
エンジンをフロントアクスル後方に搭載した特殊なレイアウトと相まって、「流石、ホンダの車作りは一味違うなあ」と憧れを持って眺めていたのを思い出します。
外観
全長4940mmX全幅1810mmX全高1405mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2910mmとなります。
フロント
先行して発売されていた、ビガーやインスパイアとよく似たイメージのフロントフェイスが装備されています。
ワイド&ローのボディに薄い角型ヘッドライトが組み合わされ、端正で都会的な当時のホンダが得意とするイメージを演出しています。
サイド
フロントアクスル後方にエンジンを搭載しているため、フロントオーバーハングの短いFRのような美しいプロポーションです。その分Aピラー(1番前の柱)も後方にレイアウトされるため、ホイールベースの割にキャビンは小さめです。
リア
リアエンドは四角い幅広ボディに、薄く角型のリアコンビランプが組み合わされます。フロントと比べるとちょっと地味な印象です。
内装
上品で大人っぽい日本車ばなれした内装デザインです。現代のハイテク感あふれるホンダデザインからは似ても似つかない世界観です。
大きなV6エンジンをフロントアクスル後方にレイアウトしているため、ホイールベースの割に室内長は短めです。かっこいいボディスタイルとトレードオフの関係ですから、このへんはいたしかたありません。
シート
アメリカ人にあわせた大型のシートが装備されます。どっしりとした硬めのクッションに上質な本皮が組み合わされ、快適な座り心地です。
リアシートもフロントに負けず劣らず立派なシートが装備されます。
荷室
荷室にはたっぷりとしたスペースが確保されています。家族4人で2泊3日旅行くらいなら余裕でこなすことができます。
静粛性
FF車は車内にバイブレーションを伝えやすい構造をしていますが、このレジェンドはそのへんの対策がしっかりと取られており、高級車にふさわしい静粛性を実現しています。
エンジンとミッション
3206ccのV型6気筒SOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、235ps/6300rpmの最高出力と、29.5kgf・m/5200rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1590kgで、10モード/10・15モード燃費は、8.2km/lとなります。
エンジン
3.2Lのエンジンをフロント・ミッドシップに搭載し、前輪を駆動します。ノイズとバイブレーションがしっかりと抑えられており、スムーズで上質なフィールを持ちます。
ホンダらしい高回転型のエンジンですが、トルクバンドが広いため低速域からたっぷりとしたトルクを得ることができます。
トランスミッション
トルクバンドの広いパワフルなエンジンと組み合わされ、スムーズで力強い加速をサポートします。
足回りとハンドリング
前輪前後ともにダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
足回り
上質なサスが装備されしっとりとした上質な乗り味です。16インチタイヤ装着車は若干ゴツゴツとした印象ですが、不快なレベルではありません。
ハンドリング
通常のFFと異なり、エンジンの搭載位置がフロントアクスル後方にオフセットされています。そのおかげで後輪駆動車のような優れた前後重量配分を持ち、キビキビとしたスポーティなハンドリングを得ていました。
ただ、この「FFミッドシップ」といわれる特殊なレイアウトは、前輪のトラクションが不足するという大きなネガを持ちます。滑りやすい路面や坂道で急発進をすると前輪が簡単にトラクションを失いホイールスピンを起こします。
評価のまとめ
このレジェンドは騒音対策やバイブレーションの押さえ込みを徹底的に行い、まごうことなき正真正銘の高級車となっていました。前輪のトラクションに難があるものの、スポーティで上質なハンドリングも一級品です。
そのなかでもこのレジェンドの一番のアピールポイントとなるのは、低く幅広いカッコイイボディスタイルです。この時代の車にトキメイてしまうのは、秋ろーが年を取ったからなのか、今の車がつまらないからなのか分かりませんが、とにかく見ているだけで楽しくなります。
価格
新車当時の価格 | 4,174,000円