自動車には、死角や後方の安全を確認するために、ルームミラーやドアミラーなどの各種ミラー類が取り付けてあります。
今回はこのミラー類を上手に活用して、さらに安全な運転を行うための小技をいくつか紹介したいと思います。
ミラーはチラチラと小まめに確認する
元F1ドライバーの中嶋悟さんは、一般の道路や高速道路を走る時、10秒に1回程度の割合でチラチラとルームミラーやドアミラーを確認するそうです。
これは常に周りの状況を把握しておくことで、万が一何かが起こっても瞬時に反応して回避する為の備えでもあります。例えば、後方から暴走車両が突っ込んで来ているといった場合は、他の車線に回避するとか、ブレーキのタイミングを遅らすなどの色々な対応策が考えられます。
ドアミラーの調整具合でドライバーの優劣を判断する
ドアミラーのセッティングは、運転席に正しく座ってから調整します。調整位置の目安としては、ドアミラーに自分の車が1/3程度映り込み、地平線がちょうど上下の真ん中に入る辺りが適正な位置となります。
この状態を後続車両から眺めると、ドアミラーにその車のドライバーの顔がちょうど映り込むことになります。
つまり、ドアミラーを適正な位置に調整できているドライバーかどうかは、後方の車からも簡単に知ることができるという訳です。
そのため、前車のドアミラーに空や地面が映っている場合は、ドアミラーの調整もできない未熟なドライバーだという事が分かります。こういう車を発見したら、あまり近づかないほうが無難かもしれませんね。
左ドアミラーの使い方
ただし国産車の場合、左ドアミラーはやや下向きに調整していた方が使いやすいという場合もあります。「左後輪が縁石に乗り上げずに曲がりきれるか」とか、後退しながら駐車する時に、「後輪の位置を確認する」といった場合に役に立ちます。やや下向きに調整する時は、ミラーにリアフェンダーがギリギリ映り込む位で十分です。
また、予めドアミラーの調整スイッチを左ドアミラー側に設定しておき、「駐車する直前にすぐ下向きにできるように備えておく」という使い方もあります。
このあたりは、そのドライバーの好みによって使い分ければいいでしょう。
助手席を少し下げる
助手席に人を乗せる機会が多いという場合は、助手席に座った人のせいでドアミラーが確認しづらくなる事があります。特に体が大きい人や、大きな帽子を被っている人の場合は最悪です。
こういう時には、予め助手席側シートを少し後ろに下げておきます。こうする事で、ドアミラーだけでなく、左横方向の安全確認もぐっとやりやすくなります。
助手席用ルームミラー
家族に運転の下手な人がいるとか、免許を取り立ての初心者がいるといった場合には、教習車両によく取り付けられている「助手席用ルームミラー」がオススメです。このミラーを取り付けておけば、助手席側からも後方の安全確認が行えるようになります。
自分が運転する時には、左下方向に調整することで「補助ミラー」として使うことができます。
凸面加工が施されたワイドミラーは使いにくい
カー用品店で売られているワイドタイプのルームミラーには、鏡面に凸面加工が施されたタイプのミラーがあります。
この凸面加工ワイドミラーは、普通のワイドミラー以上の広い範囲を見ることができます。ただし、鏡面が歪んでいるために遠近感が掴みにくいといった欠点もあります。
特に使い慣れない内は、咄嗟の判断がつかず危険な思いをする事があるかもしれません。そのため、始めてワイドタイプのルームミラーを買うという人の場合、普通の鏡面がフラットなルームミラーをオススメします。
ドアミラーに付着する雨粒を弾く撥水加工シート
雨が振り始めるとドアミラーに雨粒が付着して、後方確認がしにくくなる事があります。こんな時に便利なのが、ドアミラー鏡面に貼り付けるタイプの「撥水加工シート」です。このシートを鏡面に貼り付ければ、雨粒が風の力でコロコロと後方へ吹き飛ばされていきます。
同時にサイドウィンドウにも撥水加工を施すことで、さらにドアミラーの安全確認がしやすくなります。