交通事故の後遺症といえば鞭打ち症が有名ですが、その他に歩行困難になる人や手が使えなくなる人など、その事故によって負った怪我の症状によって様々なケースがあります。
今回ご紹介する「こぼれ話」は、こういった後遺症の中でもかなり珍しいケースの後遺症についてのお話です。
発端は小さな追突事故
アメリカ・デトロイト州に在住する40代の男性カーメン・オーリーさんは、23歳の時に脇見運転の車に追突され、背中に軽い怪我を負ってしまいました。
怪我自体はすぐに回復したのですが、その後、世界でも珍しい精神的な後遺症を抱えることになります。
精神的な後遺症と言っても、「車が怖くなる」とか、「自動車を運転できない」といったありふれたものではありません。
事故の後遺症で奥さんに興味が沸かなくなる
オーリーさんは、学生時代の友人である若くて美しい奥さんと大恋愛の末に結ばれ、幸せな結婚生活を送っていました。しかし、どういうわけか事故の怪我が回復してしまうと、この美しい奥さんへの興味が全く湧かなくなってしまったのです。
性欲が減退するというだけなら中年期以降の男性にもごく普通にみられる症状です。しかしオーリーさんの場合は、ただ単に性欲が減退したというわけではなく、その興味の対象が女性から男性へと変わってしまったのです。
これでは円満な夫婦生活を送ることができません。困ったオーリーさんはあの手この手でなんとか以前の自分を取り戻そうと悪戦苦闘しましたが、事態は好転するどころかかえって深みにハマってしまい悪化するばかりです。
加害者へ慰謝料を請求
はじめはこの後遺症について自分のことのように心配していた奥さんですが、オーリーさんは奥さんをそっちのけで男性ばかりを追いかけていました。ついに我慢の限界を超えた奥さんは、オーリーさんに離婚を迫ります。こうなってしまうともうオーリーさんに打つ手はありません。仕方なく離婚届にサインをするしかありませんでした。
この一連の出来事は、どう考えてもあの23歳の時の交通事故が原因です。オーリーさんは証拠書類をかき集め、加害者に慰謝料を支払いを求める裁判を起こします。
当初、この珍しい後遺症の症例が少なく裁判も難航するかにみえましたが、優秀なオーリーさん側弁護士の働きにより、加害者にはオーリーさんに対して20万ドルの損害賠償を支払うよう命じる判決が下されます。
この後、オーリーさんは美しい奥さんとの復縁は叶いませんでしたが、あたらしい男性のパートナーと幸せに暮らしているそうです。