本来、高速道路の追い越し車線は前車を追い越すための車線ですから、走行車線の車を追い越したらすぐに走行車線に戻らなければなりません。
これはマナーではなく、交通法規に定められたれっきとした法律です。そのため違反すれば当然ながら罰則が科される事になります。
しかし、免許を持っているにも関わらず、追い越し車線を我が物顔でゆっくりと走る車はあとをたちません。そこで今回は、こんな追い越し車線をゆっくり走っている車に出会った時、「どうやってその車を追い抜くのが一番安全でスムーズな運転か」というテーマで解説したいと思います。
目次
- よくみられる対処法
- 走行車線を使って追い越す
- 走行車線から追い抜くときの注意点
- 追い越し車線を走る時のマナー
よくみられる対処法
こういう場面でよく見られる対処方法は、「パッシングをして前車に合図を送る方法」や、「猛スピードで近づいて相手を威嚇する方法」などがあります。
しかし、パッシングでは相手の感情を害しまい、かえって相手が怒って意地でもどいてくれない事になりかねません。また、猛スピートで威嚇するという方法は、下品な上に大きな危険を伴います。100km/hで高速走行している時、前車が驚いて急ブレーキを踏もうものなら大惨事は確実です。どんなに運転に自信がある人でも、安全マージンがゼロの状態でこれを回避することはできません。
走行車線を使って追い越す
それでは、こういう場合どういった運転をすれば一番スムーズで安全に追い越す事ができるのでしょうか。
それには、無理に追い越し車線から追い抜こうとせず、開いている走行車線を使います。無理に前車にどいてもらおうとすれば、かえって手間や危険が増える事になります。ここは無理をせず、開いている走行車線を使って前車の前にでましょう。
走行車線から追い抜くときの注意点
ただし、「追い越しには追い越し車線を使う」というルールが定められているのには、同じ方向から追い越すと決める事で、効果的に安全確認ができるようにして交通事故の頻度を減らそうという狙いがあります。
そのため、意図していない方向からの追い越しには大きな危険を伴います。追い越しの際は、前車の動きをよく観察してから追い越すようにしてください。
追い越し車線を走る時のマナー
また逆に、追い越し車線を走っている人の中にもマナーの悪い人がみられます。
例えば、走行車線を80km/hで走っている時、100km/hで追い越しを掛けようとしている車があるとします。この時、後方から追い越し車線を通って150km/hの暴走車が迫ってくる事があります。
追い越しを安全に完了するには、十分な車間距離を保って走行車線に戻る必要がありますが、この後方から迫る暴走車は安全に走行車線に戻るマージも与えず激しくパッシングをしたり、車間を急激に詰めて煽りを掛けるといった威嚇行為をする事があります。
高速道路では多少速度が早くても流れが重要とされますが、このように「他車の安全を大きく乱すような車」の流れが優先されているわけではありません。
こういう場面では、他車を煽ってもなにも良いことはありません。前車の追い越しが完了するまで、一時減速をしておとなしく待ちましょう。