「ディーゼル排気ガス不正問題」で大きくイメージに傷がついたVWグループは、今後「電気自動車技術」や「自動運転技術」の開発に資本を集中して行くことで、イメージと業績を大きく回復させようとしています。
そこでVWでは「電気自動車技術」と「自動運転技術」の開発を戦略的に行うため、新会社「MOIA」を設立すると発表しました。
目次
- 新会社「MOIA」はVWのための重要な組織
- ユーバーとの連携
- MOIAの最高経営責任者(CEO)
- MOIAはスタートアップの前段階にある
- VWが考える次世代のモビリティ
新会社「MOIA」はVWのための重要な組織
MOIAはVWの今後左右する存在であるとともに、実際にVWの経営の取り仕切るための重要な組織ともなります。
MOIAという言葉は、古代のサンスクリット語で「魔法」という意味を持ちますが、「電気自動車」や「自動運転技術」の開発において、その名の意味する通りVWに大きな力を与える事が期待されています。
またMOIAは、VWが出資および設立を担うものの、VWとは全く別の独立企業としてドイツのベルリンに本社を置くことなります。
ユーバーとの連携
MOIAが開発する次世代の車は、近未来の都市交通において重要な役割を担うことになり、「電気自動車技術」と「自動運転技術」においても世界の自動車メーカーをリードする存在となります。
VWはすでにタクシー配信サービス・アプリ「ユーバー」にも多額の出資を行っていますが、このMOIAプロジェクトと連携させることで次世代のモータリゼーションの大きな足がかりにしようとしているようです。
MOIAの最高経営責任者(CEO)
MOIAの最高経営責任者(CEO)オレ・ハームス氏によれば、「MOIAはVWと共同して次世代の年交通システムを開発し、次世代モビリティに関する技術を開発・販売する」と述べています。
オレ・ハームス氏は続けて、「私たちはこのプロジェクトと並行して、グループ全体にかかわるブランド戦略についても進めていきます。それは、『グループ全体で世界のトップになる』という大きな目標のためです」と今後のグループ戦略についても語ってくれました。
MOIAはスタートアップの前段階にある
ただ、現時点でのMOIAは、スタートアップの前段階にあるため、実際の企業活動についてはほとんど何も行われていないのが実情です。
VWグループCEOのマティアス・ミューラー氏によれば、「次世代のモビリティについて、まだ、誰がどのような車を欲しがるのかという目処が付いておらず、MOIAの戦略基本方針についても策定している段階です。ただ、将来のVWグループの収益がMOIAからもたらされるのは確実です」と言明しています。
VWが考える次世代のモビリティ
日本ではまだタクシー配信サービス・アプリ「ユーバー」について、法律による規制が厳しいため、実際にこのアプリを使ってタクシーサービスを受ける事は出来ません。
現段階の「ユーバー」は、車の空いた席を有料で提供したいドライバーと、安くタクシーサービスを受けたいユーザーがアプリに登録し、お互いのニーズが合ったところでタクシーサービスを受けるというシステムです。
VWが計画している近未来のモビリティはこのシステムをさらに進化させ、自動運転による電気自動車とタクシー配車を受けたいユーザーをマッチングさせるためのサービスとなるはずです。これは、このサービスのためには「電気自動車」「自動運転技術」「ユーバー」の3つがどうしても必要になる事からも明らかです。
このVWが考える近未来の社会では、自動車を所有するのは一部のお金持ちだけという事になるかもしれません。自動車が好きな秋ろーにとっては、ちょっとつまらない社会になってしまいそうで寂しいです。