燃料電池車とは
燃料電池車とは、車内に搭載された、燃料を元に発電する電池からの電気供給により、電気モーターを作動させて走行する自動車の事です。
水素を燃料として走行する燃料電池車の場合は、大気汚染となる物質を排出しないので、環境にやさしいクリーンな自動車といえます。
また電気自動車と異なり、数分の水素の充填で500km以上の走行が可能で、ガソリンエンジン車と同様の使い勝手の良さを実現しています。
燃料電池車の仕組み
燃料電池車の仕組みは、中学校の時にやった電気分解の実験を思い出せば、簡単に理解できます。
試験管に用意された水に、電気を通してやることで、水素と酸素を生み出す実験の事です。
実は燃料電池の仕組みは、この実験を逆に行うことで発電をしているのです。
具体的には、用意された水素と酸素を反応させてやり水を生成するのですが、この時同時に電気を取り出すことができます。
この電気を使って電気モーターを回して走行するのが、燃料電池の仕組みという訳です。
燃料電池車の開発
燃料電池車の歴史は意外と古く、1807年に最初の燃料電池車が作られています。
その後、しばらくはNASAが、宇宙開発に使うために開発に力を入れていましたが、自動車用には1994年にダイムラーベンツが試作車を制作しています。
その後は、2002年にホンダとトヨタが相次いで、リース販売ながら市販型の燃料電池車を発表しています。
また2013年に、韓国のヒュンダイがツーソンという燃料電池車を、世界で初めてライン生産して販売しています。
しかし、この時は予定販売台数の1000台は達成できず、アメリカと韓国合わせて273台のみの販売に留まりました。
その後、2014年にトヨタはMIRAIという燃料電池車を発売します。このMIRAIは航続距離、実に650kmを誇ります。
また、2016年にはホンダもクラリティという燃料電池車の発売を予定していますが、この燃料電池車の航続距離は、さらにMIRAIよりも長い700kmになる予定です。
インフラ整備
現在、水素ステーションの普及は進んでおらず、官民を上げて補助金の助成などいくつかの対策をたてながら、インフラの整備を急いでいます。
エネルギー効率
クリーンなイメージの燃料電池車ですが、実際のエネルギー効率はそれほど高くなく、「発電」「調達」「輸送」「燃料充填」などの効率をすべて計算にいれると、ハイブリッドカーの方が燃料電池車より効率が高いといわれています。