新型スズキ エブリィ 商用車【試乗評価】仕事以外の趣味で使っても便利 [EBD-DA17V]

スズキ・エブリィのフロント

※写真は、スズキから日産へOEM供給されている「日産NV100クリッパー(外観と内容はスズキエブリィとほぼ同じ)」。

今回の【試乗評価】は「新型 スズキ エブリィ 商用車(バン)JOIN ターボ 4WD(MT)」。
2015年にフルモデルチェンジした、商用ワンボックス(5ドア)の軽自動車。俗に言う「軽キャブバン」ってやつです。

「キャブバン」というのは、エンジンを前席の下に搭載することによって、荷室の長さを最大限まで伸ばした車のこと。なんですが、そのせいで「ドライバーの足の前には薄い鉄板一枚」、なんて危険な状況も昔はありました。最近は短いノーズを付けて最低限の安全性は確保してあるんで、随分マシなはずです。

この車の大元は、1964年に登場した「スズキ・ライト・キャリィバン」まで遡ります。その後、1982年に「スズキ・エブリィ」と改名され、今回のモデルチェンジで6代目となりました。ということで、半世紀以上に渡って製造販売されている歴史あるモデルなんですねえ。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 スズキ エブリィ 商用車(バン)JOIN ターボ 4WD(MT)」の概要

今回のモデルチェンジによって、室内と荷室の拡大。動力性能および燃費性能の向上。便利な小物入れも沢山装備され、シートアレンジにも工夫が凝らされてます。「使い勝手の良い仕事の道具」って感じです。

これなら商品の配達といったビジネス用途はもちろん、大きな荷物を必要とするキャンプや釣り、サイクリング。アウトドア遊びから車中泊まで、幅広い用途で大活躍しそうですねえ。ということで、商用車としてだけでなく、個人用としても使い方によっては十分オススメできます。

さらにワンボックスタイプの商用車としては、世界で初めて「レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)」が装備されました。いわゆる「自動ブレーキ」とか、「プリクラッシュブレーキ」なんて呼ばれるデバイスです。「30km/h以下でしか作動しない」とか、「歩行者には反応しない」といった少々残念な部分もありますが、これがあると無いとでは大違いだと思います。特にに年間走行距離の長い商用車こそ装備して欲しいアイテムですから、今回、キャリィに標準装備されて良かったです。

「OEM供給車」が増えてる理由

「スズキ・キャリィ」には、「OEM供給車」としてこの他に「日産・NV100クリッパー」と「三菱・ミニキャブバン」、「マツダ・スクラム」という3車種があります。OEM供給車というのは、エンブレムや名前に違いはあるものの、その中身はほとんど同じという兄弟車の事です。

最近はキャリィのような「OEM供給車」が増えてますが、その理由のひとつに「利幅の小さな商用車のコストを、なるべく広く薄く、各社に分散するため」というのがあります。要は、3社で集まって開発コストを出し合うと同じような経費削減効果が得られるんです。

プラットフォームなど

基本となるプラットフォーム(車台)は、軽トラック「キャリィ」と同じ軽自動車貨物専用のアーキテクチャーを使ってます。といっても、商用車タイプの他に「キャリィ」をベースとしながら、快適装備と座りやすい乗用車用リアシートを装備した「エブリィワゴン」という乗用車タイプもあるんです。

ライバルは

キャリィのような「軽キャブバン」は、三菱とか日産、マツダやスバル。最近はトヨタからも出てますが、全部「OEM供給車」がらみなんで、実質的なライバルは「ダイハツ・ハイゼットカーゴ」の一車種だけです。

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外観

ボディサイズ、全長3395mmX全幅1475mmX全高1895mm。ホイールベース、2430mm。

先代とそれほど変わり映えのしない外観ですが、ディティールやパッケージングが見直され、使い勝手を向上させています。

フロント

短いフロントノーズに、大きな角型ヘッドライト。シャープなラインで構成されたフロントグリルを装備。道具感あふれる端正なフロントフェイス。

サイド

前後ギリギリにレイアウトされた4つのタイヤ。大きなキャビン(居住空間)と短いフロントノーズ。潔く平面で仕上げられたサイドパネル。機能を極限まで追求した、実用車ならではの合理的なカッコよさがあります。

ホイールベースが30mm延長され、視覚上の安定感も向上。スライドドア用レールと一体化したキャラクターラインによって、サイドパネル全体が引き締められています。

リア

スズキ・エブリィのリア

四角い平面で構成されたリアエンドに、小さなリアコンビランプを配置。まさに「質実剛健」という言葉がピッタリと当てはまる後ろ姿です。

この小さなリアコンビランプには、「荷物の積み下ろしで壊れにくい」といったメリットと共に、「万が一壊れた時にも部品代が安く済む」といった点にも配慮されています。

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内装

スズキ・エブリィの内装

樹脂の質感を活かしたシンプルな室内。センターコンソール最上段には、オーディオユニット。その下にはハザードスイッチを挟んで、ダイヤル式エアコンを装備。カップホルダーやトレー、小物入れも豊富に設置され使い勝手が良いです。

頭上、ルーフの裏には、大きな「オーバーヘッドシェルフ」と呼ばれるトレー(棚)が設置され、伝票やノート、筆記具など仕事に必要な小物を放り込んで便利に使うことができます。

その他には、ラックやバーを取り付けるための「ユーティリティナット」を10箇所に設置。車の用途に応じて自由なカスタマイズが可能です。

メーターナセルには、大型三眼メーターを配置。見やすいグラフィックで視認性も上々。アップライトなポジションと相まって、運転のしやすい車に仕上がっています。

商用バンといってもパワーウィンドウやパワステ、リアヒーターまで装備され、快適性は高いです。

クラス最大級の室内長と、スーパーハイト系ワゴン同等の全高が与えられ、室内容量はビックリするほど広大。プロユースで使う人にとっては、この室内容量こそ最大の魅力です。

シート

フロントシートは、コシのあるクッションが組み合わされた快適な座り心地。腰回りが沈み込むことも無く、身体全体をしっかりと支えます。

リアシートは、形が平板で背もたれの高さも足りません。ただし、足元および頭上にはタップリとした空間が確保され、大人二人で座っても窮屈感はありません。中距離(30km)程度までなら十分に快適な移動が可能です。

PC、PA、GAグレードの後席には、簡易型のベンチシートを装備。上級グレードのJOINターボとJOINの場合は、クッションが厚く座り心地の良いベンチシート(左右分割リクライニング&ヘッドレスト付き)となります。

PC、PA、GAの場合は、リアシートを折り畳むことで、ビールケース40個を飲み込む広大な荷室スペースが出現。JOINターボとJOINの場合は、リアシートを折りたたむことでベッドとしても使えるフルフラットシートが装備されます。趣味や遊びに幅広く使いたいという場合は、フルフラットシートが装備されるJOIN系がオススメです。

荷室

荷室にはクラス最大級の広大なスペースを確保。リアシートを折りたたむことで、さらにスペース(ビールケース40個分)を拡大することができます。

開口部が大きくスクウェアなため、荷物の積み下ろしも簡単。加えて荷室の床がフラットなので室内での作業がしやすいです。

静粛性

遮音材は最小限に抑えられていますが、不快なレベルにはありません。

エンジンとミッション

658cc・直列3気筒DOHCターボエンジンに、5速MTが組み合わされます。
エンジンは、最高出力64ps/6000rpm、最大トルク9.7kgf・m/3000rpmを発揮。

車両重量930kg。JC08モード燃費は、18.8km/l。

エンジン

新たに設計された0.7Lツインカムターボで4輪を駆動(フルタイム4WD)。高張力鋼板の採用によって、ワンボックスタイプとしては比較的軽量な930kgの車重を実現。低速からフラットなトルクを発生するターボエンジンと組み合わされ、必要十分の走りをみせます。エンジンの吹け上がりもスムーズで気持ちよく、高回転を保って走れば結構俊敏です。

トランスミッション

マニュアル式の5速トランスミッションを装備。普及型のトランスミッションとしては、結構節度感が高くストロークも短め。意外とスポーティなフィールが楽しめます。

この他にシングルクラッチ式・5速AGSと、オーソドックスな4速ATも用意。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはアイソレーテッド・トレーリング・リンク式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、145/80R12。

引き締まった硬めの乗り味。路面の衝撃を拾いやすくバタバタとした印象。

背の高いボディに重い荷物を積むと、どうしても車体は不安定になりがち。これを安定させるには、足回りを固めてステアリングの反応を穏やかにする必要があります。

そういった点を考慮すると、比較的バランスの取れた乗り心地といえます。

ハンドリング

穏やかで自然なハンドリング。背の高いボディを安定させるためリアの接地性が高めてあり、ハンドリングの切れ味も鈍い。といっても、足回りの硬さやボディの揺れと合っているため違和感はありません。バランスの取れたハンドリングです。

コーナリング中はロールを発生させやすいものの、挙動が穏やかで自然なため安心してステアリングを握ることができます。

最小回転半径は、4.1m。狭い駐車場や路地裏でも簡単に切り返すことができます。

その他

先進安全技術は最新の「SUZUKI Safety Support」を搭載。

このパッケージには、衝突の危険を予測して回避、もしくは被害軽減をはかる「レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)」や、誤操作による急発進および衝突を防ぐ「誤発進抑制機能」といった機能が含まれます。

【試乗評価】のまとめ

「スズキ エブリィ 商用車 JOIN ターボ 4WD(MT)」は、スーパーハイト系ワゴンよりも広い室内を持った、軽自動車ワンボックスタイプのバン(商用車)です。

ワンボックスタイプとしては比較的軽量なボディにパワフルなターボエンジンが組み合わされ、走りは必要十分以上。やや硬めの乗り味は、重い荷物を積んだ時に車体を安定させるため。穏やかなステアリング特性も同じ理由です。といってもハンドリングと乗り味のバランスが取れているため違和感はありません。

本来のビジネス目的だけでなく「荷物を沢山積んで釣りやキャンプに出かけたいが、普通のミニバンでは大きすぎるしコストも高い」とか、「スーパーハイト系ワゴンよりも広い室内を持った軽自動車が欲しい」なんて人にも最適な一台です。

中古車市場では

2017年式「スズキ エブリィ 商用車 JOIN ターボ 4WD(MT)」で110万円前後。2015年式で100万円前後(2018年4月現在)。

新車価格

1,329,480円(消費税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

現在、古い「試乗関連」の過去記事を全面書き換え中。その分、新しい記事の投稿が少なくなります(2018年4月〜)