JC08モードとは
自動車は馬力競争の時代から、バブル崩壊以降になると景気が悪くなり、徐々に燃費やコストを競うようになりました。
そこで開発のテーマとなったのが「モード燃費」と言われる数値で、具体的には、1リットルのガソリンで、何キロ走行出来るかという事を示しています。
現在、カタログに記載されている数値は「JC08モード」といわれるもので、より現実の走行モードに近い数値が出るように、工夫されています。
以前の「10・15モード」と比べると測定時間が倍になり、最高時速も70km/hから、80km/hにスピードアップされています。
また、車体の重量区分も細分化され、より実際の条件に近づくように設定されています。
さらに、始動直後のエンジンが温まっていない状況でのコールドテストが25%ほど加えられ、テスト走行自体も「シャーシーダイナモ」と呼ばれる検査台の上で行われるようになります。
「10・15モード」との比較では、1割程度燃費が悪くなるといわれています。
実はこの「JC08モード」が実施されると、面白い事が起きました。
軒並み日本車は前述の通り、1割程度数値が悪化したのですが、ほとんどの欧州車では結果が変わらないどころか、僅かに向上した車もありました。
いかに日本車がテストモードに合わせてセッティングされているのか、という事が良くわかるエピソードです。
モード燃費の変遷
このモード燃費ですが、以前は「60km/h定地走行」といって、60km/hの一定速度で平坦な路面を走って計測するというだけの、単純なテストが行われていました。
しかし、これでは現実の燃費との乖離が大きすぎて、参考にならないという事で、新たに「10モード」という検査方法が取り入れられます。
この「10モード」は、通常の走行条件と近い数値が出る様に、日常的な運転で想定される10の走行パターンを組み合わせて、テストが行われます。
当時のカタログには、この「10モード」の数値と、「60km/h定地走行」の数値が併記されていました。
その後、この「10モード」をさらに現実の走行で得られる数値に近づけようと、1991年には「10モード」を修正した「10・15モード」でテストが行われるようになります。
この「10・15モード」では、「10モード」で行われる10の走行パターンのテストに加えて、15の走行パターンによるテストが行われます。
また、さらにこの「10・15モード」を実際の数値に近づけようと考案されたのが、初めに述べた「JC08モード」というわけです。