オクタン価とは
「オクタン価」というのは、ガソリンが「どれだけノッキングしづらいか」という程度を表す為の数値です。
高い圧縮比のエンジンでは、エンジンのシリンダー内が高温になります。
この時シリンダー内では、点火プラグで混合気に点火する前に、混合気が自然発火してしまうという事が起きます。
その自然発火によっておこる、異常な振動や「カンカン」といった異常な音のことを「ノッキング」といいます。
このため、高い圧縮比のエンジンには、自然発火しにくい「オクタン価」の高い燃料が推奨されています。
石油会社によって呼び方はまちまちですが、一般にオクタン価の高いガソリンを「ハイオクガソリン」、オクタン価の低いガソリンを「レギュラーガソリン」と呼びます。
自動車メーカーでは、高性能なスポーツタイプの車に、ハイオクガソリンを指定する事が多く、レギュラーガソリンは、一般的な小型車や大衆車に用いられる事が多いです。
また、欧州車では、日本のレギュラーガソリンに対応しておらず、ハイオクガソリンが指定されることが多いです。
中には、欧州のガソリンの質に近づけるため、レギュラーとハイオクを交互にいれて調整している人もいます。
高性能なハイオクガソリン
一般的に、ハイオクガソリンは高性能な車に使用される事が多く、レギュラーガソリンより高性能だと思われる方もいるかもしれませんが、実際の燃えやすさでいえば、レギュラーガソリンの方が燃えやすい性質を持っています。
ただ、高圧縮エンジンに使用してもノッキング(異常燃焼)しにくいという事から言えば、確かに高性能なガソリンといえます。
また、洗浄剤なども添加されていますので、そういった意味でも、高性能なガソリンというのは間違いではありません。
しかし、普通のエンジンにハイオクガソリンを入れても、エンジンが高性能になるわけではありません。
洗浄効果で多少エンジンが奇麗になるくらいですから、それだったら普通に洗浄剤を入れた方がお得です。
また、ハイオク指定のエンジンにレギュラーガソリンを緊急避難的に使用する事はできますが、燃費もパワーも落ちますし、長期的にはエンジンにダメージを与える可能性もありますので、避けた方が無難です。
僕も若い頃、自分のハイオク指定の自動車に、節約のためにレギュラーガソリンをしばらく入れていた事があります。
しかし、フィールも落ちるしパワーも出ない、しかも燃費まで悪化するという始末で、結局は節約にもならないのですぐにやめましたが、あのまま続けていたらと思うとぞっとします。