今回の旧型レポートは「初代 マツダ アクセラ スポーツ 20C」。
2003年から2009年に渡って製造販売されていた、小型の5ドアハッチバックです。この他に4ドアセダンがラインナップされます。
アクセラは長い歴史を持つ名車ファミリアの実質的な後継車にあたります。ファミリアとの大きな違いは、フォードグループ傘下の一企業として「フォーカス」と共通のプラットフォーム(基本骨格)が与えられている点です。
そのおかげで走りの質感が一段と向上し、目の肥えた欧州のユーザーからも高い評価を得ることに成功しています。
外観
全長4405mmX全幅1745mmX全高1465mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2640mmとなります。
フロント
なだらかなフロントノーズに五角形のフロントグリル、木の葉型のヘッドライトが組み合わされます。スポーティで若々しいフロントフェイスです。
サイド
長いホイールベースに大きなキャビンが前のめりにレイアウトされ、今にも走り出しそうな躍動感があります。斜めにカットされたDピラー(前から4番目の柱)が加わることで、さらにスポーティな雰囲気を盛り上げます。
リア
グラマラスなヒップラインに五角形のリアウィンドウ、木の葉型のリアコンビランプが組み合わされます。フロントの雰囲気を丁寧に反復する、力強いリアエンドを構成しています。
内装
プラスチッキーな印象の強い内装パネル。といっても、パーツとパーツの間がキッチリと詰められているため、野暮ったい雰囲気はありません。スポーティで清潔な印象のインテリアです。
Aピラーが少々太めで、斜め前の死角が大きく運転がしにくいです。メーターナセルには砲弾型の三眼メーターが装備されます。文字は少し小さめですが、フォントが見やすいため視認性も良好です。
シート
サイズは若干小ぶりながら、適度な硬さのある疲れにくいフロントシートが装備されます。もう一回りサイズが大きく、クッションにストロークがあれば理想的ですが、このクラスのシートとしては十分なレベルです。秋ろーが昔乗っていたランティスのシートとそっくりですね。ひょっとしたら同じフレームが使いまわされているのかもしれません。
リアシートには、足元、頭上空間ともに必要十分なスペースが確保されています。足を組むほどの余裕はありませんが、成人男性二人が適度な余裕を持って座ることができます。
荷室
荷室には、たっぷりとした奥行きと十分な左右幅が確保されています。家族4人であれば、キャンプを楽しむ事も可能です。後席のシートバックを7:3で折り畳めば、さらに広々とした荷室を作ることができます。
静粛性
エンジン透過音が大きく、静粛性は今ひとつです。
エンジンとミッション
1998ccの直列4気筒DOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、150ps/6500rpmの最高出力と、18.7kgf・m/4500rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1260kg。10モード/10・15モード燃費は、13.8km/lとなります。
エンジン
2.0Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。低速からフラットなトルクを発生する扱いやすいエンジンです。決してスムーズではありませんが、トルクを活かしてキビキビと走ることができます。坂道や合流ポイントでも十分な加速力を発揮します。
この他に、2.3Lと1.5Lのエンジンがあります。もっとトルクが欲しい人には、2.3Lがオススメですが、バランスの良さならこの2.0Lが一番です。
トランスミッション
トルコン式の4速ATを装備。ギアが4段と少なめですが、フラットなトルク特性のエンジンと相まって、ダイレクトで小気味良い変速を行います。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されますが、走りが楽しいので我慢できます。
足回り
やや引き締まった印象のスポーティな足回り。段差ではコツコツと入力を許しますが、当たりが柔らかく、走りも楽しいのでそれほど気になりません。
欧州市場を主眼に開発されているため、高速域での直進性は抜群です。軽く手を添えておくだけで、フラットな姿勢を維持して直進します。
ハンドリング
ダイレクト感あふれる、スポーティなハンドリング。ドライバーの操舵に対して正確に反応して機敏にノーズの向きを変えます。
ボディのわりに最小回転半径が大きく、狭い路地では切り返しに苦労します。
評価のまとめ
欧州市場でも販売されるため、足回りには欧州基準のしっかりとしたサスが与えられています。低速からフラットなトルクを発生するため、走りもキビキビとしていて不足はありません。
小型クラスでありながら、5ナンバーサイズのボディが与えられ、室内と荷室には広々とした十分以上の余裕があります。日本で使うならもうちょっと小さい方が便利なんですが、その分ボディにはグラマラスな抑揚があり、使い勝手も申し分ありません。
「若い人が普段は通勤に使い、週末は友達とドライブへ出かける」なんてシュチュエーションにピッタリとハマる車です。
日本車でありながら、ちょっと欧州車の雰囲気が味わえるというのも、このアクセラの大きな魅力です。しかも価格はゴルフよりも圧倒的に安いのですから、言うことありませんね。
現在、程度の良い前期モデルが30万円前後(2017年10月現在)から、後期モデルになると70万円前後で購入することができます。
価格
新車当時の価格 | 1,750,000円(消費税込み)