国道など広い一般道路を走っていると、時に対向車からカチカチとパッシングを浴びせかけられる事があります。
こんな時は、対向車があなたへ何かを伝えようとしています。といってもパッシングによって伝える事の出来る情報は一つではありません。状況に応じて何周類かのパターンがありますので、臨機応変に読み取るテクニックとある程度の事前知識が必要になります。
「この先に何か危険なものがある」と教えてくれている場合
一番多いパターンは、「この先に何か危険なものがある」とか、「スピード違反の取り締まり」を教えてくれている場合です。
大雨や台風の後、山沿いの道路は山側の崖が崩れて片側通行となっていることがあります。がけ崩れが発生してしばらくすれば、標識やガードマンが出て、しっかりと誘導をしてくれる場合も多いのですが、がけ崩れが発生してすぐはそういうわけにもいきません。
こんな時は、対向車からのパッシングで助けられることが何度もあります。もし、何も知らずにカーブの先のがけ崩れに突入すれば、そのままがけ崩れ衝突するか急ブレーキをかけるしかありません。
といっても、パッシングによってその危険の内容まで詳しく伝えることはできません。対向車からパッシングを浴びせかけられたら、車の速度を落としいつでもすぐに停まれる状態で通行してください。
「スピード違反の取り締まり」を教えてくれている場合
パッシングで対向車から伝えられる情報には、その他に「この先でスピード違反の取り締まりをしているよ」というものがあります。最近はなぜかこの手のパッシングが極端に少なくなりました。おそらく昔に比べて車の数が多いので、「全部の車に教えていたら収集がつかない」という理由もあるのでしょう。
それでも、周りにほとんど車が走っていないような状況では、たまにこの手のパッシングをしてくれる事があります。こんな時は、制限速度まで速度を落とし、余裕があれば対向車に手を上げてニッコリとお礼を伝えてください。
「あなたの車の異常」を教えてくれている場合
対向車から伝えられるパッシングの最後は、「あなたの車に何らかの異常がある時」です。
例えば、「片側のヘッドライトが切れている」とか、「ヘッドライトの軸がズレて眩しすぎる」といった状況です。その他に運転の不慣れな初心者や高齢者の場合は、「センターラインからはみ出している」とか、「車がやけにフラフラしている」といった事を伝えている場合もあります。
こんな時は、安全に退避できる場所まで速度を落として走り、車を停めてじっくりと点検してください。眠気で運転がふらついている場合は、安全に仮眠できる場所まで移動して休憩を取ったほうが無難です。
運転に不慣れでまっすぐに車を走らせる事ができない場合は、ベテランドライバーに同乗してもらい、しっかりとトレーニングを積みましょう。体力的な理由でまっすぐと走る事ができない場合は、免許証の返納を考えたほうがいいかもしれません。