流石に最近はアスファルト舗装のされていない未舗装路はほとんどありません。ただ、私有地や田舎の山道、工事中の道路、花火大会やイベントのために急ごしらえで作られた大きな駐車場などでは、路面が土や砂利のままの場所があります。
こんな場所に大雨が降り注ぐと、たちまち泥が水を吸ってぬかるんだ泥道へと変化してしまいます。
意外と知られていない事ですが、こんなぬかるんだ泥道では、タイヤは十分にグリップをすることができず、スリップしやすい危険な状態となります。
乾燥したアスファルトに比べて、濡れた路面のグリップ力は半分程度と言われています。これに対してぬかるんだ泥道の場合は、そこからさらにグリップが低下して雪道と同程度となります。つまり、ぬかるんだ道に進入する時は、「雪道にサマータイヤで入るのと同じ心持ちで望む必要がある」という事になります。
ぬかるんだ泥道の走り方
前方にぬかるんだ泥道を発見したら、泥道に進入するまでに十分な減速(時速20km/h程度)を行います。次にギアを2速に入れ(ATの場合は、オーバードライブをオフ、可能であれば、2速や3速の低いギアを選択)、一定速度を保ってまっすぐに直進します。
途中に凸凹などの障害物がある場合は、なるべく早めにステアリングを切って、直線に近い軌道で通過してください。障害物の直前で急ブレーキや急ハンドルを切ると、車が安定を失ってスリップすることがあります。
コーナーの途中にぬかるみがある場合は、ぬかるみに乗り上げる前になるべくステアリングを切っておき、直線に近い軌道でぬかるみの上を通過します。ぬかるみに進入する前に十分な減速を終えておくのは、直線の時と同様です。
ぬかるんだ泥道の途中で停止してはいけない
ぬかるみの中で一旦車を停止させると、ぬかるみにタイヤを取られて動けなくなることがあります。ぬかるみを通過する時は、一定速度で一気に通過してしまいましょう。もちろん、途中、危険回避のために停止するのは仕方ありませんが。
また、ぬかるんだ坂道を普通の「2輪駆動+サマータイヤ」で登り切るのはほぼ不可能です。その場に立ち往生してしまうか、運が悪ければ崖から転落してしまうかもしれません。こんな時は無理に出かけるのは控え、万が一出先で動けなくなった時は、JAFなどに救援を要請するしかありません。
ぬかるみの後は、水たまりに直行
ぬかるみを通過したからといって安心はできません。タイヤにはたっぷりと水分を含んだ泥がベッタリと付いたままだからです。
この状態で普段通りの走りをすれば、タイヤは簡単にグリップを失いスリップしてしまいます。こんな時は、泥がある程度乾燥するか、剥がれ落ちるまで低速で走行するしかありません。
ただし、こんな雨の日の路面には、途中に転々と水たまりが出来ているはずです。この水たまりを積極的に利用して、汚れたタイヤを洗いましょう。具体的な方法としては、水たまりを見つけたらなるべく長めに水たまりの中を走るだけです。これを何度か繰り返せば、トレッド面に付いた泥をさっぱりと流れ落とすことができます。
その後、タイヤがグリップを取り戻したら、後は普通の速度まで加速して帰宅してください。
帰宅後はフェンダーの裏をきれいに洗う
ぬかるんだ泥道を通過したら、フェンダーの裏にびっしりと泥が残っているはずです。こういった泥は水たまりを通過したぐらいでは落ちません。そのため、帰宅したらなるべく早めにこの泥も落としておいてください。めんどくさがって、長期間放置するとボディの腐食を早めることになります。