キャンピングカーは車輌の分類上「特殊車輌」となるため、ナンバーは「8ナンバー」が与えられています。
この8ナンバーは、以前、税制上のメリットが大きかったため、「普通の乗用車を改造して8ナンバーにする」という人もいました。車検の時だけ設備を積んでおき、普段は設備を外して普通の車として使うわけです。
ただ、こういった改造は厳密に言えば車の使用目的から外れるため、違法とはなりませんが法律の穴を利用したグレーゾーンともいえます。
そのため最近では、こういった違法ギリギリの改造を防ぐ目的から、道路交通法自体が改正され、簡単に8ナンバーにすることが難しくなっています。
8ナンバーに改造しても得られるメリットは殆ど無い
改造として多く用いられていたのは、「普通の車に洗面台などを取り付けることで8ナンバー登録する」というものです。そこで、法律の改正後は洗面台の高さが160cm以上と決められ、実質的にハイルーフ仕様のワンボックスカーでなければ改造することができなくなりました。
ただし、ハイルーフ仕様のワンボックスカーは「貨物自動車」に分類されるため、元々の登録ナンバーは「1ナンバー」です。
この「1ナンバー」の車輌は、毎年車検を通す必要があるものの、税制面では8ナンバー以上に優遇されています。そのため、わざわざ改造を行っても、それによって得られるメリットはほとんどありません。
また、法律に添った改造を行えば、自分の使用目的に合った改造とは異なる改造を施すことにもなります。そのため現在では、8ナンバーに改造するという人は少なく、1ナンバーのまま使うという人が多いです。
4ナンバー車のメリットとデメリット
その他に、キャンピングカーとして使われている車には「4ナンバー」があります。
4ナンバーの車輌は1ナンバーと同じく「貨物自動車」に分類されますが、全長が4.7m以下で全幅が1.7以下、全高が2.0m以下となる場合。加えてエンジン排気量が2000cc以下のなる場合という条件があります。
つまりこの条件に当てはまる貨物自動車が4ナンバー。当てはまらない大きな貨物車両が1ナンバーとなるわけです。
普通の乗用車(5ナンバーや3ナンバー)を4ナンバー登録する場合は、貨物自動車にするために貨物スペースの拡大や、改造申請などの手間が加わるため現実的ではありません。そのため、4ナンバーの車をキャンピングカーとして使いたい人は初めから貨物自動車を購入する場合が多いです。
税制面では、5ナンバーや3ナンバーよりも優遇されていますが、大きなデメリットとして「毎年車検を受ける」という制限が加わります。
1ナンバーと比較すると税制上のメリットはありませんが、自賠責保険や任意保険が安くなったり、高速の通行料が安くなるというメリットがあります。
キャンピングカーの購入や改造は、知識と経験の豊富なショップを選んで
このように昔と違って「8ナンバー」のメリットはそれほど大きくありません。現在ではキャンピングカーとして使われている車も、8ナンバーばかりではなく、1ナンバーや4ナンバーも多いです。
そのため、自分がキャンピングカーを購入する時も、無理やり8ナンバーに改造したり、登録し直す必要はほとんどありません。こういった改造や登録については、専門のショップが一番詳しいです。購入の前にはそのあたりの事も含めてしっかりと相談しておきましょう。
信頼できるショップの選び方については、以下の記事が参考になります↓
参考:「ドレスアップやチューニング、ショップを選ぶ時の注意点【カスタマイズ】」