上下にアップダウンが続く道は、運転に不慣れな初心者にとって非常に走りにくい道のひとつです。加えて、こういった道では左右への小さなコーナーが連続する事が多く、さらに運転を難しくしています。
ところが、ある程度の経験と知識がついてくれば、こういった道は運転を楽しむための最高のステージとなります。
苦手だからといって避けてばかりいては、いつまでたっても運転の楽しさを味わうことはできません。そこで今回は、このような「アップダウンの多い道のスムーズな走り方」について解説したいと思います。
一段下のギアを選んで走る
アップダウンの続く道では、普段より一段下のギアを選んで走ることが重要です。AT車の場合はオーバードライブをオフにして走ります(5速ATの場合は4速)。
まず上り坂では、ギアを一段下げた状態で進入します。5速MTなら4速、6速ATなら5速といった具合です。ただし、上り坂で加速をすると荷重が後輪に移動して、ステアリングが効きにくくなることがあります。特にFF車はこの傾向が強いです。
こういう時は、慌てずにスムーズにアクセルを戻してください。荷重が前輪に移動して、ステアリグの効きを取り戻すことができます。
上り坂ではスムーズなステアリング操作を
上り坂では急なステアリング操作は厳禁です。コーナーの曲がり具合に合わせてスムーズにステアリングを操作してください。前出の通り、上り坂で加速しているとステアリングは効きにくくなります。こんな状態で急激なステアリング操作をすると、車は制御を失ってスピンを起こしかねません。
「このままコーナーに進入したら曲がりきれない」とか、「思ったように舵が効いてくれない」といった違和感を感じたらアクセルを戻して減速してください。
上り坂では重力の働きによって、減速方向に力が加わり続けています。そのおかげでアクセルを戻すだけでスムーズに減速することができるのです。さらに荷重が前輪に移動する事によって、しっかりとした舵の効きを取り戻すこともできます。
下り坂ではフットブレーキが重要
上り坂(アップ)を上がり切ったら次は下り(ダウン)です。下り坂に入るまでには、わずかながら頂上付近に平坦路があります。下り坂ではフットブレーキが重要な役割をはたしますので、ここで一度フットブレーキを軽く踏んでチェックしておきましょう。
ブレーキがフェードを起こしていれば、ブレーキペダルを踏んでも充分な制動力は得られません。こういった場合は下り坂で車が加速する前に、ギアを3速→2速→1速と下げ、サイドブレーキを引いて路肩に停車します。完全に車が停車しない場合は、路肩の山やガードレールに車をこすりつけて停車してください。
下り坂の勾配に合わせて、適切なギアを選択する
下り坂に進入したらギアを普段よりも1段下げ、エンジンブレーキを効かしながら走ってください。エンジンブレーキをしっかりと使う事によって、フットブレーキへの負荷を下げ、フェード現象などを起こりにくくする効果があります。
エンジンブレーキをさらに強く効かすには、そこからギアを1段下げます。5速MTなら3速、6速ATなら4速といった具合です。ギアの下げ具合については坂の勾配によって適切に選択する必要がありますが、低いギアを選択することによってアクセルへのレスポンスが向上し、スポーティな走りを楽しむことができます。
このあたりのさじ加減については、何度か走ってみて経験を積むしかありません。しかし、練習を積み重ねる事で徐々に運転が上達してくれば、走りの楽しさもぐっと深みを増すはずです。