今回の旧型レポートは「10代目 トヨタ コロナ EXサルーン」。
1992年から1996年に渡って製造販売されていた、小型の4ドア・セダンです。
トヨタがイギリスに新設した工場で初めて生産するモデルで、欧州では「カリーナ」の名称で販売されます。このセダンのほかに、5ドア・ハッチバックもラインナップされます。
外観
全長4520mmX全幅1695mmX全高1410mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2580mmとなります。
当時のトヨタ車としては珍しく、ルーフの高い合理的なパッケージングが与えられます。
フロント
重厚感のあるフロントノーズに、緩やかなラインで構成された角型のヘッドライトが装備されます。どっしりとした印象のフロントフェイスです。
サイド
全高の高いボディに、傾斜の強い前後ピラーが相まって巨大なキャビンを構成しています。堂々とした存在感を存分に感じさせます。
リア
ハイデッキ化されたリアエンドに、横長のリアコンビランプが組み合わされ、同時代のクラウンを彷彿とさせる堂々たるリアビューです。
内装
インテリアは同時代のセリカやトレノを彷彿とさせるスポーティな雰囲気。メーター上を通る「日除け」が横幅一杯まで拡がり、のびのびとした開放感を感じさせます。
アップライトなポジションによる、広々とした視界と取り回しの良さ。ルーフが高く設定されているため、室内にはゆったりとした快適な空間が拡がります。
シート
適度なストロークのある快適なシート。長距離ドライブでも疲れがたまりにくいです。
リアシートのバックレストは傾斜が強すぎるため、首の弱い人は疲れて仕方ないと思います。足元、頭上空間ともにしっかりとしたスペースが確保されているため、大人二人が余裕を持って座ることができます。
荷室
広々とした広大な荷室スペースが用意されています。家族4人であれば2泊3日旅行も充分可能です。
静粛性
エンジン透過音が良く抑えられているため、室内の静粛性は高いです。
エンジンとミッション
1587ccの直列4気筒DOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、115ps/6000rpmの最高出力と、15.0kgf・m/4800rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1120kg。10モード/10・15モード燃費は、12.4km/lとなります。
エンジン
1.6Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。やや高回転型のエンジンながら組み合わされるトランスミッションが優秀なため、必要十分のパワーを発生させます。日常領域で不足を感じることはありません。スムーズで静粛性の高いエンジンです。
もっとパワーが欲しいという人には、この上のグレードに「1.8L」と「2.0L」が用意されています。
トランスミッション
トルコン式の4速ATを装備。ツインカムエンジンをシッカリと回して充分なトルクを発生させます。ダイレクトかつスムーズなトランスミッションです。
足回りとハンドリング
前後ともにストラット式サスペンションが装備され、前輪のみスタビライザーで強化されています。
足回り
若干スポーティな印象の快適な乗り心地。適度な「芯」があるため、高速域での安定性も高くビシっと直進を続けます。
反面、目地段差ではコツコツと衝撃を拾いがちですが、不快な印象はありません。
ハンドリング
ステアリングスピード自体はスローですが、ドライバーの操舵に対して素直に反応する、自然なステアリングフィールです。コーナリングでのロールも一定で予測しやすく、安心してステアリングを握ることができます。
小回り性能が高く、狭い路地でも簡単に切り返すことができます。
評価のまとめ
ごくオーソドックスな成り立ちの4ドアセダン。新設されたイギリス工場で生産し欧州で幅広く販売するため、世界戦略車として「走る」、「曲がる」、「止まる」の基本性能が徹底的に磨き込まれています。
当時のトヨタ車としてはルーフが異例に高く、室内に広々とした空間が確保されていることもこのコロナの大きな美点です。
「普段は通勤に使い、週末は家族でロングドライブやレジャーに出かける」なんて使い方にピッタリです。
「実用的なしっかりとしたクルマを探しているが、欧州車ではちょっと目立ちすぎて嫌」という人にも積極的にオススメしたいクルマです。
価格
新車当時の価格 | 1,770,000円