コーナーの連続するワインディングロードは、スポーティな車を楽しむためには持って来いの場所です。
しかし、このワインディグロードで充分な安全を保ちながら走るには、それなりの技術と最低限のルールを守る事が大切です。
自分の技量を超えた運転をしない
ワインディングロードを走る上で一番気をつけなければならないのは、「自分の技量を超えた運転をしない」という事です。
特に若い内は漫画やテレビに影響されて、「自分もあんなカッコいい運転をしてみたい」と誰でも考えがちです。しかし、スポーツドライビングのテクニックは、テレビを見たからといってすぐに身につくものではありません。テレビのイメージのままコーナーに飛び込めば、車は簡単に制御を失い、軽くても自損事故、悪ければ、対向車を巻き込んで命にも関わるような大事故を起こしていまいます。
本当にレーサーのような華麗なドライビングを身に着けたいなら、自分勝手な技術でチマチマと走るのではなく、ドライビングスクールに参加したり、地元のクラブに入会して本格的なサーキットで腕を磨くべきです。
車線からはみ出さない
ワインディングを安全に走るには、その他に、「自分の車線からはみ出さない」という事も大切です。
「え、車線からはみ出す人なんているの?」という人は、普段、交通量の多い市街地を走っている人でしょう。しかし、実際に山奥のワインディングに行くと、自分以外に走っている車はほとんどいません。そんな道を数十分も走っていると、「ちょっとぐらいはみだしても、どうってことないだろう」という錯覚に囚われることがあります。
しかし、これは大きな間違いです。たとえば滅多に対向車が来ないといっても、最低でも1時間に1台程度の交通量はあります。こんな時、タマタマあなたの車がセンターラインを超えていれば、対向車と正面からぶつかって命を失ってしまうかもしれません。死んでから「いやー、それまでは全く車が走っていなかったから、ついつい・・・」なんて、とぼけてみても誰の耳にも届かないのです。
特に先の見通せないワインディングロードでは、「次のコーナーで大型トラックが対向してくるかもしれない」と、常に最悪の事態を想定しながら走ってください。こうすれば、自分の車がセンターラインからはみ出す事もありませんし、万が一、対向車がセンターラインをはみ出して来ても、咄嗟にブレーキングと素早いハンドルさばきで回避できる可能性がグッと高まります。
他のドライバーに迷惑を掛けない
ワインディングで運転を楽しみたいといっても、ワインディングも多くの人が利用する生活道路のひとつです。他のドライバーに迷惑をかけるような運転は許されません。
例えば、あなたの車の前を、トロトロとおじいさんの軽自動車が走っている場合です。こんな時、乱暴な人であれば「パッシングやクラクションを使って、軽自動車を煽る」なんて事もあります。
しかし、煽り運転は「危険運転」のひとつに分類される違法行為です。万が一それが原因となって事故が起き、相手が死傷すれば「危険運転致死傷罪」が適用され、最長で20年以下の懲役が科されます。
以前見かけたYouTubeの動画では、「女性が乗っていると思って軽自動車を煽ると、中から厳ついオジサンが現れてボコボコにされた」なんて怖いケースもありました。
煽り運転は他人に迷惑を掛けるだけではなく、自分自身に対しても何のメリットもありません。また、見た目も見苦しく、スマートさにかけます。
後続車両に煽られた時は
ワインディングで制限速度を守って安全に走っていると、後続車両が追いついてくることがあります。
しかし、ワインディングは見通しが悪いため、あなたに前方の車が見えていたとしても、後続車両からは見えないという事も多いです。こんな時に急ブレーキを掛ければ、何も知らない後続車両が追突してくるかもしれません。こういった場合は、なるべく安全な範囲を保って、ゆっくりと停止してあげてください。
ただし、後続車両があなたにピッタリと付けてくる場合は別です。こんな車間距離では、いつ後続車両にぶつかられもおかしくありません。道幅に余裕のある直進路や退避ゾーンがあれば、素直に進路を譲ってあげましょう。ただし、それまでは、煽られているからといって自分まで猛スピードを出す必要はありません。安全な速度で後続車両をかわせる場所まで走りましょう。
コーナリングの基本テクニック(1)「スローイン・ファーストアウト」
コーナーをスムーズにクリアするには、コーナーの入口までにしっかりと減速を終え、コーナーの中間地点から出口に掛けてゆっくりとアクセルを踏み込んでいきます。こうする事で、車はコーナリング中も安定して走ることができるのです。
このテクニックを一般に「スローイン・ファーストアウト」と呼びます。これは、モータースポーツでも多用される基本的なコーナリングテクニックですが、一般道を安全に走るためにも有効です。
コーナリングの基本テクニック(2)「アウト・イン・アウト」
その他のコーナリングテクニックとしては、「アウト・イン・アウト」と呼ばれる基本テクニックがあります。
これは、コーナーの入口で道路の外側(右コーナーの場合は道路の左端)から進入し、コーナーの中間地点で一番内側に寄り、コーナー出口では再び道路の外側を走るというテクニックです。
このテクニックを使うと、コーナーの中をより直線に近いラインで走ることができます。簡単に言うと、コーナーでの減速を最小限に抑えて、素早くコーナーを抜けることができるのです。
しかし、このテクニックをワインディグで使うと、見通しの悪いコーナーでセンターラインギリギリまで寄せる事になります。この状態で対向車が飛び出してくれば、あなたの車に回避する余裕はありません。つまり、このテクニックは「ワインディング向きでは無い」という事です。
ワンインディグのコーナーを安全に走るには、車線のほぼ真ん中あたりをキーブして走るのが一番です。