今回の旧型レポートは「3代目 マツダ デミオ 13C-V」。
2007年から2014年に渡って製造販売されていた、コンパクトな5ドア・ハッチバックです。
初代から続く全高の高いボクシーなフォルムから一転して、コンパクトでスポーティなスタイリングが与えられています。
競合車がモデルチェンジの度に拡大されていく中、「コンパクトカーの本質に戻る」という開発者の強い意思が感じられます。
外観
全長3885mmX全幅1695mmX全高1475mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2490mmとなります。
フロント
短いノーズに小さなグリル、楕円形の大きなヘッドライトが組み合わされ、穏やかでスポーティなフロントフェイスです。
サイド
フロントフェンダーから斜めに切れ上がるようなショルダーラインが印象的です。コンパクトなボディに前後に短く切り詰められたオーバーハングが組み合わされ、キビキビとした軽快感を感じさます。
リア
ギュッと絞り込まれたキャビンに、ワイドに広がるリアフェンダー。高い位置にレイアウトされた小さなリアコンビランプが相まって、凝縮感のあるリアエンドを構成しています。
内装
しっとりとした樹脂に、鈍く光るメタルパーツが組み合わされます。シンプルでモダンなデザインが施され、貧乏臭さは微塵もありません。
デザイン優先のスタイリングながら、ボディの見切りは良好です。見晴らしも良く、使い勝手の良いコックピットです。
シート
フロントには、ストロークのたっぷりとした肉厚のシートを装備。適度なコシと硬さがあり、中距離(30km)程度であれば快適に移動することができます。
反面、リアシートは平板なデザインで、スペースも狭いです。成人男性が長時間座り続けるのは辛いです。
荷室
荷室エリアは、コンパクトカーとして標準的な大きさです。4人家族で1泊2日旅行くらいなら余裕です。リアシートを6:4で折りたたむことによって、さらに広い荷室として使うことができます。
静粛性
エンジンが静かなため、静粛性はクラス標準レベルを超えています。
エンジンとミッション
1348ccの直列4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、90ps/6000rpmの最高出力と、12.2kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量990kg。10モード/10・15モード燃費は、23.0km/lとなります。
エンジン
ボディが一回り小さくなったため、それにともなって車重もぐっと軽く(100kg)なっています。
1.3Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。軽量化されたボディと相まって、キビキビとしたダイレクト感あふれる走りが印象的です。ミレーニア以来の「ミラーサイクルエンジン」が久しぶりに搭載され、燃費性能も大幅に向上しています。
街中から中高速域まで、全域に渡って力強い走りが可能です。
トランスミッション
トランスミッションには自動無段変速機(CVT)を装備。スムーズで違和感の少ない変速を行います。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
少し引き締まった印象のスポーティな乗り味。高速域でもそこそこの安定性をみせます。目地段差ではコツコツと衝撃を車内に伝えますが、不快な印象はありません。
ハンドリング
キビキビとした軽快なハンドリングです。ステアリングセンターから僅かな初期操作にも正確に反応。100kgの軽量化が完全にこの車のキャラクターを変えています。
小回り性能が高く、狭い路地でもクルリと簡単に向きを変えることができます。
評価のまとめ
先代のトールボーイスタイルから一転、背の低いコンパクトなスタイリングに改められています。それにともなって、車重も100kg程度軽量化されています。
この軽量化は、デミオのキャラクターを根本から激変させ、キビキビとした活発な走りと、軽快で気持ちの良いステアリングフィールを手に入れています。
独身女性が通勤に使っても良いですし、子育て世代が子どもの送り迎えのため、セカンドカーとして購入するのにもピッタリです。
「コンパクトな実用車が欲しいが、最近の車は走りがぼんやりとしていて嫌だ」とか、「コンパクトカーらしい、キビキビとした走りの楽しい車を探している」という人にもどうぞ。
価格
新車当時の価格 | 1,285,000円(消費税込み)