クラクションは本来、相手に注意喚起をする時に限って使用が許された装備です。
例えば、山岳路での「警笛ならせ」の標識のあるところ、相手がこちらの存在に気が付かず発進しようとしている時、僅かに傾斜のある信号機で停車中、前車のフットブレーキが甘くジリジリと後退している時などです。
逆に、相手の運転がのろくてイライラするとか、合流のタイミングが気に入らないといった理由で軽率にクラクションを鳴らしてはいけません。
「腹が立つ」という理由だけでクラクションを鳴らしてはいけない
あなたが二車線道路の左側を走っている時、十分なスペースを保って右車線から他の車が車線変更をしてきました。こんな時、自分の前に入られたからといって、ブーブーとクラクションを鳴らすことは許されません。
車線変更が許された道路なら、いつでも誰でもルールを守って車線変更をする権利あります。これを「自分の前に車が入って目障りだから」という理由で抗議する事はできないのです。
もちろん、自分の車とぶつかりそうなタイミングで他の車が入ってくれば、こんな時はクラクションを使って注意喚起をする必要がります。その場合もクラクションよりも、ブレーキやハンドル操作による回避の方が優先されますが。
乱暴なクラクションはトラブルの元
その他にも、お年寄りがノロノロと横断歩道を渡っている時です。こんな時、「早くいけよ!」とばかりにクラクションで威嚇すれば、そのお年寄りが驚いて転倒してしまうかもしれません。転倒したショックで頭を打ったり足を骨折したりすれば、あなたに損害賠償が請求されるかもしれません。
車線変更してきた車に対して、腹が立つという理由だけで軽率にクラクションを鳴らしていると、相手が怒って思わぬトラブルを招くこともあります。
このようにマナーの悪い乱暴なクラクションは、周りの人を不快な気分にさせるだけでなく、相手によっては思わぬトラブルとなる事もあるのです。
スマートなクラクションの使い方
といっても、時には注意喚起以外でクラクションを使った方がスムーズにいく場合もあります。
例えば、信号機で停車中、信号機が青に変わったにも関わらず、先行車が気付かずに停車している時です。こんな時は、のんびりと先行車が信号機に気づくまで待つ必要はありません。
「軽く小さく」先行車がギリギリ気づく位の小さなクラクションで、スマートに信号機の変化を教えてあげましょう。中には「ブーッ!」と大きなクラクションで先行車を威嚇する人がいますが、これでは相手を不快な気分にさせるだけでなく、関係ない第三者から見てもいい気はしません。
相手が驚いてこちらを見返した時は、ニッコリと笑って手を上げてください。ここで、ぶっきらぼうな表情で睨み返せば、クラクションの意味が間違って相手に伝わってしまいます。ここまですれば、そうそう怒る人はいません。この小さなクラクションを有効に使って、スムーズな運転に役立ててください。