2007年から3年間をかけて、日本国内の運転免許証は段階的にIC化されています。これに伴って、厚みも0.5mmからクレジットカード同じ0.76mmへと変更。これはICチップをカード内に内蔵するためと、クレジットカード用のカードリーダー機器を流用しやすくするといった狙いもあります。
運転免許証の縦と横のサイズは、元々クレジットカードと同じでしたから、この厚みの変更によって完全にクレジットカードと同じ大きさとなりました。
IC化の理由
運転免許証がIC化された大きな理由は、「偽造防止と利便性の向上」です。
運転免許証はその本来の目的とは別に、日本国内では本人の身分を証明するために「身分証明証」としても用いられています。そのため、旧来の運転免許証のように、簡単に偽造できてしまうと色々と問題が多いのです。
しかし、免許証にICチップが内蔵されれば、簡単に見た目を偽造するだけでは免許証を作る事が出来なくなります。つまり偽造の難易度が格段に上がるという訳です。
また、本籍地を免許証本体には記入せず、ICチップだけに書き込む事によって「プライバシーの保護」にも大きな効果が期待できます。
セキュリティを向上させるため、2つの暗証番号を設定
あなたも免許更新をしていれば気付いたと思いますが、IC化された運転免許証に更新する時は、同時に2つの暗証番号を設定する事になります。
これは、情報をICチップに書き込むと同時に、この2つの暗証番号で「内部情報」にセキュリティロックをかけている訳です。つまりIC化された免許証の場合は、ICチップと暗証番号が同時に揃わなければ、偽造したり内容を読み出したりといった事が出来ない事になります。
また、暗証番号を2つ設けることによって、セキュリティレベルを二段階に分け、それぞれの暗証番号で読み取る事のできる情報に違いを設けています。
そのため、氏名、生年月日、免許証交付年月日、有効期間、免許証番号を読み取るためには一つ目の暗証番号が必要となり、本籍と顔写真を読み取るためには2つの暗証番号が同時に必要となります。
利便性の向上とは?
ただ、「利便性の向上」という理由にはちょっとピンと来ないものがります。クレジットカードや携帯電話を契約する時に、免許証など、身分証明証の提示を求められますが、その時はただ単に内容をコピーするだけです。カードリーダーに通したり、暗証番号を入力することはありません。
グーグルで検索してみると、このIC化された免許証とカードリーダーを使った、「アルコール検知器」というものがありました。これは、タクシー会社が出勤してきたドライバーのアルコールを検知するための機械です。なるほど、これなら飲酒運転も防げますし、免許証の更新忘れも自動的に機械が教えてくれるようになっています。
しかし、この機械も一般のドライバーにはそう縁のあるものではありません。
秋ろーは最近警察に取り締まられた事が無いので、はっきりとした事は分かりませんが、ひょっとしたらスピード違反等で警察に検挙された時、パトカーの中でこの「IC化された免許証」をカードリーダーに通して処理するのかもしれません。まあ、その場合もそんな事が効率化されて何の得があるの?といった疑問を感じてしまいますが。
まあ、ETCカードやマイナンバーカードのように、「お偉いさんが儲けるため」という理由が一番大きいのかもしれませんね・・・。