幹線道路の曲がり角にある民家や店舗に自動車が突っこむといった事故は、割にありがちなタイプの交通事故といえます。
これに対して今回ご紹介する交通事故は、なんと「2台の車がキレイに並らんだまま同時に民家に突っ込んだ」という珍しいパターンの交通事故です。
朝寝坊をしてしまったのが事の始まり
北九州市の小倉に住むNさんは、1979年当時、免許を取り立ての初心者ドライバーでした。今回の交通事故は、このNさんが新入社員として会社に出勤途中に起こった出来事です。
朝寝坊をしたNさんは、なんとか始業時間までに会社に到着しようと、アクセルをガンガン踏んで急いでいました。といっても朝は交通ラッシュの時間です。簡単に進む事はできず、一台抜いては対向車が過ぎ去るのを待ち、対向車の切れ目を狙っては追い越すという危険な運転を続けていました。しかし交通量が多いためなかなか前に進むことが出来ません。
自動車はトランク後部に軽く接触されただけでも、大きくバランスを崩すことがある
そういった運転をしながらも除々に車を追い越し、やがてIさんの運転する車の後ろまで上がって来ます。僅かなストレート地点でちょうど対向車の流れが切れたため、急いでこのIさんの車を追い越しにかかりました。
ところがこの時は上手く対向車線に出ることが出来ず、前を走るIさんの車に軽く接触してします。Nさんに接触されたIさんの車はバランスを崩してスピンモードに入ろうとします。咄嗟の事に驚いたIさんは必至で車を立て直そうとしますが、幹線道路で速度が出ているため中々上手くいきません。
なぜか同時にバランスを崩すNさん
あれよあれよという間に、幹線道路の曲がり角にあるFさんの民家に突っ込んでしまいました。同時に走っていたNさんもバランスを崩し、Iさんの車とキレイに横並びとなって同じFさんの民家へと突っ込んでしまいます。
幸い民家の住民にも、この二人にも大きな怪我はありませんでしたが、これに驚いたのは周辺の住民です。白煙を上げながらキレイに民家に突っ込んだ二台の車を見て、「これ、映画撮影?」とビックリしていたそうです。
幹線道路における急な曲がり角の安全な走り方
始めにも言ったように、このような幹線道路沿いの曲がり角に建つ家には、こういった事故が起きがちです。そのため、このような場所には出来るだけ家を建てない方が無難です。
また、普段からそんな道をよく走っているというドライバーには、その危険なポイントをしっかりと頭に入れておき、通る時には十分に減速をして、確実にカーブをクリアできるように細心の注意で運転してください。