高速道路の追い越し車線を快調に飛ばしていると、自分の車の直前に、突如として大型トラックが割り込んでくることがあります。
この大型トラックの行為は決して褒められたものではありませんが、大型トラック側にはそれなりの止むに止まれぬ事情があるのです。
重い大型トラックを加速させるのは大変
というのも大型トラックは、普通の車と比べると桁違いの質量を持っています。加えて、このトラックの荷台に重い荷物が満載されていれば、全体の重量はさらに増加することになります。
このような重い大型トラックが時速100kmで走り続けているのですから、その運動エネルギーも桁違いの大きさとなります。
車重が極端に重い車の場合、一度減速をしてしまうと再加速に膨大な時間とエネルギーを必要とします。
2車線ある赤信号で、大型トラックの横に並んだ時の事を思い出してみてください。信号が青になり普通車が加速を始めても、大型トラックはノロノロとしか加速できず、2、3秒もするとはるか数百メートル彼方の後方に置いていかれる事になります。
そのため、トラックの前に遅い車がいる場合、「まあぎりぎりなんとか割り込めるだろう」という僅かな隙間があれば、トラックは減速するよりも追い越し車線に迂回する事を選択してしまうのです。
つまり大型トラックのドライバーは、減速も加速もせず「常に一定の速度で走り続けたい」という強い願望を持っているという事になります。
突然割り込んでくる大型トラックへの対処法
このようなトラックの特性を無視して、文句を言っていても仕方ありません。こういうケースでは、自分があらかじめ対策と注意をしておき、危険を回避するのが最善の策となります。
トラックが走行車線を走っている状況で、こちらが追い越し車線からこのトラックを追い越す場合、前後の確認を十分に行ったら追い越し車線に入り、トラックのさらに前方の状況を観察しておきます。
トラック前方に他の車がいなければ、そのまま追い越しを開始しますが、前走者がいる場合は注意が必要です。
トラックと前走車の距離が小さかったり、トラックが前走車にグングンと近づいている場合は、一度追い越しを諦め走行車線に戻ります。
後はトラックが前走車を追い越すのを待って、その後に続いて自分も前走車を追い越します。トラックはすぐに走行車線に戻るはずですから、そのまま自分は大型トラックを追い越します。
この時、昼間であってもしっかりとヘッドライトを点灯してください。ボディの大きなトラックは死角も大きいため、小さな普通車に気づきにくいという特徴があります。ヘッドライトを点灯しておくことで、このデメリットをいくらか補うことができるのです。