交通事故で被害者となり一時的に仕事が出来なくなった時、自営業や自由業など月に受け取る事の出来る収入が一定しない職業の場合は、休業補償を受け取ることはできるのでしょうか?
自営業の人にも休業補償は支払われる?
こういった職種の収入は、前年の「確定申告」や「源泉徴収票」などをもとに、計算して推測するしかありません。そのため、前年の収入が少ない人の場合は、当然ながら「休業補償」としてもらう事の出来る額も少なくなります。
また、前年に税務署に申告した額よりも実際に得ていた収入の方が多いといった人のケースでは、その収入を確実に証明する事ができれば「休業補償」として支払ってもらう事ができます。
ただし、税務署に申告していない収入を確実に証明する事は、なかなか難しいというのが実情です。そのため、よっぽど出所のはっきりした証明書類が無い限り、保険会社から支払いを受ける事はできないでしょう。
被害者が主婦の場合は?
主婦には実質的な直接収入が無いため、事故により働けなくなったとしても「休業補償」は受け取れないと考えがちです。
しかし、法律上は主婦も立派な労働者ですので、事故により主婦業が行えなくなった時は、休業補償を受け取ることができます。
自賠責保険では、一日5700円をベースにこれに働けなくなった期間(日数)を掛けて休業補償の額を求めます。被害者に過失があっても減額されることはありません。
これに対して加害者や保険会社に請求する際には、女性の平均賃金をベースに計算されますので、一般的には自賠責保険の額よりも高くなります。ただし、被害者に過失があれば、その分を減額して支払われることになります。
被害者が入院している間に家事を行うために家政婦を雇ったといった場合では、その期間の賃金を「積極損害」として加害者に請求する事になります。
アルバイトやパートの場合は?
アルバイトやパートといった時間給で勤務しており、週に決まった何日間かだけシフトを入れているといった人の場合、休業補償の額を求めるにはある一定期間の勤務状況がどれくらいあったのか証明する必要があります。
この勤務状況を証明するには、「給料明細」や「賃金台帳」が使われます。
例えば事故の前に月12日間、時給900円で5時間ずつ働いていたというケースでは、900円×5時間×12日=54000円が休業補償として支払われることになります。