エンジンの冷却にはLLC(ロングライフクーラント)といわれる、不凍液と防錆剤が混ぜ合わされた冷却水が使われています。
このLLCのチェックには、わざわざラジエター本体のキャップを外す必要はなく、ラジエター近くに設置されているリザーバータンクをチェックするだけで済みます。
リザーバータンクには「L」から「H」の目盛りが刻印されており、赤とか緑で着色されたLLCの液面が、この目盛りの範囲内にあれば正常値となります。
LLCが不足している時、冷却系にトラブルの可能性
LLCの量が不足している場合は、冷却系になんらかのトラブルが発生している可能性があります。
現在のラジエターは、ラジエター本体とリザーバータンクの間で、必要となったLLCの量を互いにやり取りしながら調整する仕組みとなっています。
そのため、このLLCが極端に不足しているという事は、ラジエター内が高温になりすぎ水分がどんどん蒸発しているとか、ラジエターキャップの機能が損なわれ、ラジエター本体とリザーバータンクの間でLLCのやり取りが上手く行われていない可能性があります。
こういう場合は、安易に水道水を足したりせず、すぐに整備工場に持ち込んで点検してもらうのが一番です。
水道水の補給は緊急時に限る
以前この「DIY」のコーナーでは、自分でLLCを交換する方法を紹介していますが、これは不凍液と防塵剤を混合したLLCの交換方法です。
【DIY】エンジン冷却水とロングライフ クーラント液の交換(点検とメンテナンス)
これに対して安易に水道水を補給してしまうと、LLC濃度を薄めることになって不凍液としての能力を損なったり、エンジン内部にサビを発生させることになります。
また、リザーバータンク内には水垢を発生させることになり、スムーズなLLCの潤滑を阻害することにもなりかねません。
LLCは、2~3年に一度必ず交換する
そもそもラジエターに使われているLLCは、2~3年に一度交換するように設計されています。それ以上の年月に渡って使用を続けている場合や、ラジエターが上手く働かずエンジンがオーバーヒートを起こしてしまった場合は、自分で水道水を足すようなことはせず、すぐに整備工場に持ち込んで点検とLLCの交換を行ってください。万が一、緊急避難的に水道水を補充した場合も同様です。
LLCはディーラーで交換しても、5000円くらいで済みます。エンジンが駄目になる事を思えば、それくらいの出費はどうという事はありません。