2018年に登場が予定されている「次世代型 ホンダ アコード」がアメリカの砂漠で目撃されました。この新しいアコードは厳重な偽装が施されたいるため、詳細なディティールを知ることはできませんが、全体のシルエットなどこの情報から得られるものは少なくありません。
※動画は「2017年型ホンダ・アコード」です。
アメリカで人気の高い「中型ファミリーセダン」
ホンダ・アコードはアメリカで最も重要なカテゴリーといわれている、「中型ファミリーセダン」にカテゴライズされます。この「中型ファミリーセダン」は伝統的にアメリカでの人気が高く、販売量もその時の流行に左右されない底堅い動きをみせます。
そのため、各自動車メーカーが必死になって開発した珠玉の一台を投入してくることになり、市場は常に血で血を洗う大激戦となります。ただ、逆に言えばこのカテゴリーで大きなシェアを取ることができれば、同時にアメリカ市場においては有利な立場を築くことになります。つまり、資金も人材も潤沢に使えるようになり、なおかつイメージアップにもつながるので、今後のビジネスが非常にやりやすくなるという訳です。
アコードのチャレンジ!
ホンダ・アコードの場合は、すでにこのカテゴリーで大きなシェアを占めており、市場での有利な立場をすでにその手にしています。ただ、このポジションを盤石なものにしつつ、さらにシェアを伸ばしていくには、従来の路線をそのまま踏襲しているだけでは不十分です。
そこでホンダは、今回、次世代型アコードを開発するに当たって、いくつかスタイリング上のチャレンジを試みているようです。
スタリング上のチャレンジ
まず一番特徴的なポイントは、そのリアルーフラインからトランクへ掛けての形状です。シビックセダンのようなスポーティな形状が与えられ、トランクとルーフラインが一体となったようなファストバックスタイルが採用されています。
次に、フロントオーバーハングが大胆に切り詰められているため、鼻先の短い美しいプロポーションとなっています。FFの場合、大きくフロントオーバーハングを切り詰めるという事は、物理的な自動車のバランスを崩すことにもなりかねません。ただ、アウディは例外的に高級車としてコストが潤沢に掛けられることもあり、FF車でありながら鼻先の短い美しいプロポーションをもちます。コストの掛けにくい大衆車でありながら、アコードはこの難事業にチャレンジし成果をあげている点に驚かされます。
ドアミラーを見ると、エッジの立てられたシャープなラインが確認できます。加えて、フロントフェンダーやリアフェンダーにも「シャープなエッジを立てたキャラクターライン」が分厚い偽装フィルムごしに強く主張しています。現行型アコードは全体的に穏やかな表情を持った優しげなデザインですが、この偽装フィルムごしにみえるラインから想像すると、新世代アコードは相当エッジの効いたソリッドなスタイリングになると予想されます。
シビックとプラットフォームを共用化
実はシビックと次世代型アコードの共通性は、そのスタイリングだけに留まりません。ホンダでは新世代プラットフォームを導入するにあたって、その数を減らし、多くの車種でプラットフォームを共用化しようという作業を行っています。
次世代型アコードについては、シビックとプラットフォームを共用化することにより、コストダウンと共に製造効率を向上させようという計画です。これはトヨタグループやVWグループでも先行して進められている「プラットフォーム共有化」の流れに追従するものです。
これにより、世界中で発売されるすべてのアコードは、基本的に同じ設計デザインの車が製造販売されることになります。というのも、過去、アコードは世界中の市場に合わせてそれぞれ仕様が異なり、アメリカ市場にはより大きなサイズのアコードが仕立てられていたという経緯があります。
つまり、2018年に発売される次世代型アコードでは、このビジネスモデルが改められ、アメリカ市場においても世界共通デザインのアコードが販売されることになります。その結果、現在のアメリカ向けアコードよりサイズが少し小さくなるというわけです。
搭載されるパワートレイン
搭載されるパワートレインについては、「2.4リッター直列4気筒DOHCエンジン」と、「3.5リッターV6SOHCエンジン」が予定されています。ただこの「3.5リッターV6SOHCエンジン」については、最近のダウンサイジング化の潮流にのって「2.4リッター直列4気筒DOHCターボエンジン」に置き換えられる可能性があります。
ハイブリッドシステムについては、現在の2017年型ホンダアコードに搭載されるハイブリッドシステムとよく似た、「2モーターによるハイブリッドシステム」が搭載されることになるでしょう。
(参考:MOTOR TREND)