初代 フィアット プント(1997年式)【旧型試乗】 ジウジアーロによる美しいスタイリング

今回は「初代 フィアット プント」を試乗レポートいたします。
この初代フィアットプントは1993年にモデルチェンジが行われ、日本市場では1997年から1999年まで販売されていました。5ドアもしくは3ドアのコンパクト・ハッチバックです。

デザインはカーデザイン界の巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによって行われています。魅力的なスタイリングと使い勝手の良さにより、当時ヨーロッパで高い人気を誇っていました。そのおかげで台所事情の厳しかったフィアット本社を一時的に助けることになります。

ただ、1997年より販売が開始された日本市場では、ヨーロッパのように評価されることは無く苦戦を強いられることになります。当時は、信頼性に対するイタリア車の評判が悪く、すぐに壊れるというイメージが定着していたのがその理由です。

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外観

全長3760mmX全幅1625mmX全高1460mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2450mmとなります。

当時日本市場に導入されていたのは、ホイールベースの長い5ドアボディのみでした。コンパクトなボディに巧みな面処理が施され、シンプルでありながら凝縮感のある美しいデザインです。

フロント

シンプルな面構成に小さなヘッドライトが組み合わされますが、緊張感のある巧みな面処理と斬新なプロポーションにより小粋でスポーティな印象です。

サイド

ノーズとAピラーの角度が一体化されているため、近未来的で小気味良いスタイリングでに仕上がっています。また、リアコンビランプとDピラーが一体化されていて当時としては斬新な印象を受けます。

リア

シンプルな箱型デザインのリアエンドですが、面の張り具合、リアコンビランプの処理(Dピラーとの一体化)などにハッとするものがあり、印象的でかっこいいスタイリングです。

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内装

樹脂の素材感をそのまま生かしたカジュアルでポップな内装です。このあたりの巧みさは流石にジウジアーロの面目躍如といったところです。大きなセンターメーター、空調ルーバーの配置、ハザートスイッチのレイアウトなどに使い勝手への配慮が感じられます。

フロントシートは狭い室内を最大限に生かした幅の広いデザインが与えられています。座面やシートバックには適度なアールが施されており、ドライバーの体を緩やかにホールドしてくれます。また、アンコにはしっかりとしたスポンジがおごられており、長時間座っていても体圧が集中して疲れるようなことはありません。

リアシートにも体をホールドするための適度なアールが施されています。座面の長さ角度共に適正で中距離(30km程度)ドライブでも大丈夫です。

荷室はコンパクトカーとしては標準的なサイズが与えられており、2人で1泊旅行程度なら十分こなすことができます。

低価格なコンパクトカーですので車内の静粛性は低く目です。ロードノイズや風切音が結構な勢いで侵入してきます。

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エンジンとミッション

1240ccの直列4気筒SOHCエンジンに、CVTが組み合わされます。
エンジンは、60ps/5500rpmの最高出力と、9.8kgf・m/3000rpmの最大トルクを発揮します。車両重量は970kgとなります。

この1.2Lエンジンはバイブレーションが大きくガーガーとうるさい音を発します。ただ、ヨーロッパの安くてコンパクトな車は、こういった面でのコストが割り切って捨ててあるため、特に大きなデメリットとはなりません。

踏んだら踏んだだけトルクが出力される実用的なエンジンで、日常域で不足を感じることもありません。

組み合わされるCVTは富士重工製の古いCVTです。もわ〜としたフィールで最新のデュアルクラッチのようなレスポンスの良さはありませんが、街中でトコトコと流しているだけなら十分な性能です。

スポーティな走りがお好みの方には、スポーティバージョンの「アバルト」をオススメします。このアバルトには活発な1.2リッターDOHCエンジンに、ダイレクトな5速マニュアルミッションが組み合わさており、気持ちのいい走りを楽しむことができます。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン式サスペンション、後輪にはトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。

適度なロールを許しながらもしっかりと路面を捉え続ける、しなやかでコシのある足回りが与えられています。アバルト仕様のようにキビキビとしたダイレクトなフィールはありませんが、ドライバーの意思に忠実に反応する素直なステアリング特性です。

柔らかでコシのあるサスセッティングの為、乗り心地はいたって快適で長距離ドライブも苦になりません。

路面のジョイントや段差では衝撃を拾いますが、角が丸められているため不快な印象はありません。

評価のまとめ

このフィアット分とは、当時のヨーロッパで人気のコンパクトカー、「VWポロ」、「オペルヴィータ」、「プジョー106」達と肩を並べるほどの高い人気を博していました。

実用性や動力性能の良さは、ライバルたちと張り合うだけの高いバランスを備えています。加えて、このフィアットプントは、ジウジアーロの手による美しいスタイリングを持ちます。

ベーシックグレードでも十分な性能を備えていますが、旧式のCVTにはやはり違和感を感じさせられます。そういった点が気になる方には活発なツインカムエンジンにマニュアルトランスミッションが組み合わされた「アバルトヴァージョン」がオススメです。

価格

新車当時の価格 | 1,885,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)