スパナとはナットやボルトを回すための工具の事で、その先の開いた形状から「オープンエンドレンチ」とも呼ばれる「レンチ」の中でも最も手軽に扱える工具のことです。比較的作業トルクが小さいボルトやナットに使われることが多く、そのため、自動車の整備以外でも様々な場所で使われます。
また、スパナは厚みが薄いため、作業箇所が狭い場合でも先を突っ込んで便利に使うことができます。ただ、そういった狭い場所で使う場合は、スパナの先を斜めに浮かして使わないようにしてください。
スパナの先が浮いてしっかりとボルトやナットにはまっていないと、ボルトの先をなめてしまい、スパナ本体やボルトやナットを破損してしまう可能性があるからです。
さらにスパナにはトルクを掛ける方向に決まりがあります。この方向と逆の向きに強い力を掛けてしまうと、スパナ本体を破損してしまうことがあります。
スパナの特徴と使い方
スパナは先が大きく開いているため、作業スペースに余裕がない狭い場所でも横から差し込んで使うことができます。これに対してメガネレンチなど先の閉じている工具の場合は、最低でもレンチを上からはめ込むための余計なスペースが必要になります。
これがスパナの大きな特徴ですが、その反面、レンチ先端が開いているために強度が弱いというデメリットが生じてしまいます。
スパナをしっかり奥まで先を差し込む
そのためスパナを使う時には、スパナ先端をボルトやナットへしっかりと奥まで差し込んでから使うことが重要なポイントになります。
加えてスパナの先端を斜めに浮かして使うことも厳禁です。スパナを回す際にはボルトやナットと平行にスパナの先端をはめ込みます。これにより、ボルトやナットへしっかりとしたトルクを伝えることができます。また、同時にスパナやボルトの破損も防ぐことができます。
スパナは回す方向が決められている
スパナは回すための方向が決められています。これは、強度の弱い先端の構造を少しでも補うために、あえて一方向に強い強度を持たせているためです。
その回す方向を知るのは簡単で、「先端部分が回転方向に対して傾いている方向」が回す方向となります。
万が一この方向と逆方向に強い力を加えて回した場合は、スパナの先端が開いて破損してしまうことがあります。同時にボルトやナットの山もダメになりますので、十分注意してください。
スパナのサイズ
自動車の整備によく使われるスパナのサイズは、「8-10」、「10-12」、「14-17」、「17-19」などです。
「ダブルナット」と呼ばれる同じサイズのナットを二重にして締め付けてある箇所では、同じサイズのスパナが2つ必要になります。しかしこういったものは意気込んではじめから全部揃えようとはせず、必要になった時に少しずつ買い増せば十分でしょう。