ソケットレンチは、スナップオン創業者のアメリカ人、ジョセフ・ジョンソンにより、少ない工具でより多くの作業を行うためのツールとして考案されました。
ボルトやナットを回すための「ソケット」部分と、持ち手部分の「ハンドル」により構成されています。
それぞれ別々に購入することもできますが、ラチェットハンドルと一緒にセットとして買う方が買いやすく後々便利です。
ソケット部分にはハンドル部分を差し込むための穴が空けられています。その差し込み部分には「1/2インチ(12.7mm)」、「3/8インチ(9.5mm)」、「1/4インチ(6.35mm)」という3種類のサイズがあり作業の種類によって使い分けます。
おもに自動車の整備作業では真ん中の「3/8インチ(9.5mm)」を使うことが多いです。
また、作業によっては機械の奥深くのボルトやナットを回すため、奥に工具が入りやすくする「エクステンションバー」や、斜めに力を加えることができる「ユニバーサルジョイント」をソケットとハンドルの間に挟んで使うことがあります。
ソケットレンチの特徴と使い方
ソケットレンチの特徴と使い方について簡単に説明します。
エクステンションバーとユニバーサルジョイント
通常はソケットとハンドルを直結してひとつの工具として使いますが、手の入りにくい奥まった場所のボルトやナットを回す場合は、ソケットとボルトの間に「エクステンションバー」と呼ばれるハンドルを延長するためのバーを挟み込んで使います。
また、ボルトやナットが複雑な場所にある場合は、ソケットとハンドルの間にユニバーサルジョイントと呼ばれる、力を斜め方向から掛ける事のできる延長ジョイントを挟んで作業を行います。構造上、連結ピン部分が弱いため大きな力を掛ける作業には向きません。
ソケットの深さ
ボルトやナットにはめ込むソケット部分には、その作業の内容に応じて「標準タイプ」と「ディープソケット」と呼ばれるソケットに標準タイプ以上に深さのあるタイプがあります。
ディープソケットはボルトのねじが長く飛び出ている場合に使われます。
ラチェット機構
素早く同じ方向に連続して力を繰り返し伝えたい時には、ラチェット式のハンドルを使います。具体的にはソケットレンチを右方向に回してボルトを締め込んだ後、そのままソケットをボルトから外さず左方向に回すと、ラチェット機構によりソケット部分の位置はそのままでグリップだけが戻ることになります。
つまり、ソケットをボルトから外す事なく、右、左の反復運動を繰り返す事でボルトを素早く締めたり緩めたりできるという訳です。
ラチェット式のハンドルには小さなレバーが装備されており、これを右左に動かす事で、ラチェットの力の加わる方向を簡単に変える事ができます。
差し込み部分のサイズ
差し込み部の違いにより「3/8インチ(9.5mm)」は、通常、一般的な自動車のエンジン内部の整備に多用されます。また、自動車の足回りや大型車の整備など、より大きな力を加えたいときには差し込み部の大きな「1/2インチ(12.7mm)」を使います。
「1/4インチ(6.35mm)」ソケットレンチは、サイズがコンパクトなので狭い場所での整備に使われます。
その他の便利な使い方
また、ハンドル部にプラグ専用ソケットを装備すれば、簡易プラグレンチとして使うことも可能です。