自動車ニュースサイト「Automotive News Europe」によりますと、ポルシェは来年のジュネーブ自動車ショーで新型パナメーラのステーションワゴンを発表する予定です。
動画は新型パナメーラセダンです。
メインマーケットはアメリカ
新型パナメーラステーションワゴンは、2002年に古典的なスポーツカーの系譜から枝分かれしたSUVの「カイエン」に続き、さらにポルシェのラインナップを広げることになります。
このステーションワゴンは希少性と豪華さ、実用性を併せ持ったモデルとして、メルセデスベンツCLSシューティングブレイクと競合することになります。
こういった変わり種のワゴンはヨーロッパで高い人気を誇りますが、今の所ポルシェは主にアメリカでの販売を考えているようです。
実際にポルシェ911のオーナーを調査すると、セカンドカーとしてドイツ高級車を所有していることが多く、ポルシェとしてもこのマーケットを手放しで眺めているわけにはいかなくなったのでしょう。
スポーツグランツーリスモがベース
この新しいステーションワゴンは2012年の「パリ自動車ショー」で発表された「スポーツグランツーリスモコンセプト」を元にデザインされます。またベースモデルとなる「第2世代ポルシェパナメーラ」は2016年の11月に発売される予定です。
ポルシェは911のような特別なモデルにこだわる事を捨て、日常走行に適したモデルをどんどん増やすことで近年の記録的な販売台数増加を成し遂げています。これにはパナメーラの魅力をさらに広げる事になる「2020年までにポルシェ初の完全な電気自動車を作る」というプランも含まれます。
このプラン全体で引き続き利益を上げる事は、親会社のフォルクスワーゲンが引き起こした「ディーゼル排出量不正スキャンダル」による膨大なコストを吸収するためにどうしても必要です。
またフォルクスワーゲンの新しいCEOには前ポルシェCEO「マティアス・ミュラー」が着任しましたが、親会社の不祥事を子会社ポルシェの技術やブランド力を使ってなんとかしようという事でしょう。
初代の欠点をブラッシュアップ
ポルシェは2009年以降15万人以上の人々にパナメーラを届けています。ただ販売から7年が過ぎたこともありモデルとしての魅力は徐々に衰えています。
また初代パナメーラはモータージャーナリストの間で、「ザトウクジラ」のようだと嘲笑されたこともあります。次期パナメーラはこういった初代のウィークポイントを細かく潰してさらに魅力的なスポーティサルーンとなる予定です。
確かに中途半端に911っぽくて妙に長いスタイリングは、長年に渡ってポルシェ911が築いたスポーティなイメージを覆しかねないものでした。
このへんが改善され新しいパナメーラの魅力を打ち出すことができれば、ガレージに911とパナメーラというポルシェの悲願が実現することになります。
(参考:Automotive News Europe)