新型 スマート フォーツー クーペ【試乗評価】ぐっと乗用車的になったシティコミューター [DBA-453342]

今回は「新型 スマート フォーツー クーペ エディション2」を試乗レポートいたします。
このスマート フォーツー クーペは、2014年のモデルチェンジで3代目となりました。日本市場では2015年より発売されています。

第三世代のスマートフォーツークーペは、フランスのルーノーと共同で開発が進められており、ルノー・トゥインゴとはプラットフォームを共有する姉妹車の関係になります。

4人乗り仕様モデルについては、「【試乗レポート】新型 スマート フォーフォー パッション」のページをご覧ください。

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外観

全長2755mmX全幅1665mmX全高1545mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは1875mmとなります。

フロント周りは、ゆるいRの施された四角いヘッドライトが装備され、塊感とともに柔らかさも感じさせるデザインです。先代より少し地味な印象がありますが、一目でスマートだと分かる個性的な外観です。

サイドビューは、1875mmという超ショートホイールベースにより、タイヤの大きさがやたらと目につく「チョロQ」のようなプロポーションです。このホイールベースの短さは、狭い路地の切り返しや、狭い場所への駐車で大きな威力を発揮します。初代スマートから受け継ぐ大きな美点です。

リアビューは、ブラックアウトされたルーフから、リアコンビランプへとブラック塗装が回りこみ、ポップで個性的なデザインに仕上がっています。「怪傑ゾロ」のマスクのような面白いデザインです。

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内装

簡素なデザインながらポップで個性的な内装です。質感も向上しており、コンパクトカークラス並みの上質感があります。ボディが一回り大きくなったこともあり、室内の居住性が向上しています。

メーターは、大きな単眼タイプで、見やすく実用的なデザインです。

シートは、スズキのアルトのようにヘッドレストとシートバックが一体化された、簡素な作りのシートです。厚さサイズ共に小さめながら、適度なコシと硬さが与えられ、中距離(50km未満)程度の移動であれば問題のありません。

荷室は先代から40L拡大され、マイクロカーにしてはそこそこの荷物が積めます。一人で一泊旅行するくらいなら十分な広さです。組み合わされるトランクリッドは、上下に分かれて開閉するタイプで、マイクロカーの使用シーンを考慮した狭い場所でも使いやすい構造です。

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エンジンとミッション

998cc 直列3気筒 DOHCエンジンに、6速ATが組み合わされます。
エンジンは、71ps/6000rpmの最高出力と、9.3kgf・m/2850rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、21.9km/lとなります。車両重量は940kgとなります。

先代のリアにエンジンを搭載したRRレイアウトから、リアアクスルの直前にエンジンが移動して、完全なミッドシップレイアウトに変更されています。

マイクロカーにしては重めのボディに、自然吸気の998ccエンジンが組み合わされていますが、日常的な使用で力不足を感じることはありません。低速からしっかりしたトルクが湧き上がる使いやすいエンジンです。

リアエンジンで後輪を駆動しているため、後ろから蹴りだされるような独特の加速感です。

組み合わされるトランスミッションには、デュアルクラッチの6速ATが採用され、スムーズかつダイレクトな気持ちの良い変速が楽しめます。さらに「S」モードを選んでやれば、シフトスケジュールがスポーティに変更され、レスポンスも鋭くなるのでキビキビとした活発な走りが味わえます。先代のようなギクシャクした動きは感じられません。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはド・ディオン式サスペンションが装備されます。

ホイールベースが極端に短いため、ゴーカートのようなクイックで俊敏なハンドリング特性です。そのため最小回転半径も3.3mと異例に小さく、路地の入り組んだ街中での取り回しの良さには、驚くべきものがあります。また、駆動輪と操舵輪が前後で役割分担されているため、小型車にしては不快なバイブレーションもなく、滑らかで上質なステアリングフィールを持ちます。

トゥインゴがベースになったこともあり、先代にあったマイクロカー独特の落ち着きの無い挙動は鳴りを潜め、随分と乗用車らしいバランスのとれた乗り心地になっています。
それは高速域でも変わらず、速度を上げていっても、路面に吸い付くようなフラットな姿勢を維持します。

評価のまとめ

このフォーツーは、フォーフォーと違い、毎年数を限定して特別仕様車として売られることになりました。そのため、発売される時期を外すと、しばらくは次のエディションを待つことになります。つまりメルセデスベンツは、日本でこの二人乗り仕様はそれほど売れない考えているのでしょう。

日本には、日本の税制と生活環境に特化された、軽自動車というドメスティックカーがありますが、確かに、このフォーツーがその激戦区で勝ち抜いていくには、「帯に短したすきに長し」で少し難しいかもしれません。

ただ、日本での都市生活者で、ちょっと個性的で運転の楽しい車が欲しいと思っている人になら、十分魅力的な車としてオススメできる一台です。

価格

価格 | 2,010,000円(税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)