事故が起きて警察官が現場に到着すると、警察官は加害者や被害者などの関係者に話しを聞きながら、実況見分を行います。
実況見分では事故現場の位置関係や距離、速度などを元に、事故の状況を細かく調査記録していきます。
また、加害者の過失が大きく重大な場合は、その場で現行犯逮捕されることもあります。
実況見分とは
事故現場で得られた、加害者・被害者・目撃者の証言は、後日、実況見分調書という書類にまとめられます。この実況見分調書は、刑事裁判や民事裁判の際に証拠として使われる重要な書類です。
そのため、憶測や嘘を交えて話す事は許されません。事実のみを正確に話し、推測であれば推測であるとはっきりと伝えてから話してください。
事故現場での実況見分では、加害者と被害者は同時に状況説明を求められます。その時、相手が言っている事に納得がいかなければ、冷静に自分の見解を述べます。しかし、感情的になって言い合いになるのだけは避けましょう。口論になっても意味が無いばかりか、警察官の心証が悪くなる可能性があります。
警察官といえども人間です。乱暴な言葉を使ってまくしたてる人に不信感を抱くことはあっても、信頼感や好印象を抱くことはありません。
供述調書とは
後日警察署で供述調書の作成をする場合にも、警察官から事故当時の状況説明を求められます。供述調書の作成では、実況見分と異なり、被害者・加害者は別々に取り調べを受ける事になります。
また、この時も実況見分の時と同じく、嘘や推測を交えず正確に説明をする事が大切です。あやふやな記憶や自分を有利にする為の嘘、事実と異なる推測などを交えて説明してしまうと、後日になって真実が判明した時に、証言全体の信憑性も疑われてしまいます。
事故当日の説明と食い違う証言をする場合も同じです。事故当時は興奮していて記憶が正確でなかったという時は、その理由をしっかり述べた上で正確な供述をしてください。裁判の時に、理由なく供述調書の内容が食い違っている場合は、信憑性の低い証言と捉えられてしまうからです。
供述調書には、警察官が聞き取りの内容を記録していますが、供述内容そのままの言葉が書かれている訳ではありません。供述調書の内容と自分の供述内容が食い違っている場合は、警察官に訂正をしてもらってください。供述調書の内容を読み上げて、納得がいけば調書に署名捺印を行います。
供述調書は裁判で使われる重要な書類です。内容に納得がいかない場合は、遠慮などせずしっかりと正しい内容に訂正してもらいましょう。