今回は「新型トヨタ ヴィッツ」を試乗レポートいたします。
このヴィッツは2010年のモデルチェンジで3代目となりました。
2014年にマイナーチェンジが行われ、外観にも変更が加えられています。
外観
全長3885mmX全幅1695mmX全高1500mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2510mmとなります。
マイナーチェンジで、プリウスαやオーリスと良く似たイメージの、フロントフェイスが与えられています。
前期型にあったデザイン上のちぐはぐ感がなくなり、立体的でまとまりのあるかっこ良いスタイリングになりました。
サイドは、初代から受け継ぐ台形フォルムを踏襲しており、4つのタイヤでがっちりと大地を掴む力強いシルエットです。
フロントが圧倒的にかっこよくなったので、逆にリアが物足りない印象です。
ただ、シンプルな造形だけに破綻もなく、全体的にうまく馴染んでいます。
内装
クラス標準的な質感の内装です。メーターは大きくて見やすいデザインで、位置もセンターメーターは廃止され、ドライバーの正面にレイアウトされます。
内装デザインは統一感が無く、ちぐはぐなトヨタ的で不思議なデザインです。
ここまで自由にするなら、欧州車のような面白いデザインに挑戦すればいいし、日本人の好みに合わしてシンプルにするなら、ゴルフの様な方向性もあると思うのですが。
フロントシートの厚みは十分ですが、サイズが小さく、また形も身体のS字にいまいちフィットしません。
とくに肩周りのホールド感が希薄で、中距離では疲れてしまいます。
リアシートはさらに平板で形も悪く、短距離の使用に限られます。
新型エンジンの恩恵で車内は静かに保たれます。風切り音、ロードノイズ共に室内への侵入は少なめです。
エンジンとミッション
1.3L直列4気筒DOHCエンジンに、CVTが組み合わされます。
エンジンは、99ps/6000rpmの最高出力と、12.3kgf・m/4400rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、25.0km/lとなります。
この新型エンジンは自然吸気ですが、CVTとのマッチングが良く、ボディも1000kgと軽いため必要十分な動力性能です。
市街地の日常使用でも不足感はありません。
この新開発エンジンは音が非常に静かです。ただ登坂路では若干ノイジーな傾向があります。
アイドリングストップの作動は機敏で違和感はありません。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
スポット溶接の増設と、ボディ各所の強化により、前期型よりボディ剛性が上がっています。合わせてショックの改良も行われ、乗り心地の荒さが随分軽減されています。
ボディが補強されたことにより足回りの作動が正確になり、タイヤの接地性とステアリングの正確さが向上しています。
ハイスピードでコーナーに侵入しても、ボディがふらつくことはありません。
これにより、足回りを固めてスタビリティを担保する必要も少なくなり、結果的に柔らかでロールをある程度許容する、しなやかな足回りが実現しています。
また、前期型は路面の凸凹を正直に伝える傾向がありましたが、今回の改良でダンピングがよくなり、段差の衝撃は気にならないレベルに落ち着いています。
旋回中に段差を乗り越えるような事が起きても、舵が乱されるような事はありません。
ただ、極低速走行では若干振動が感じられます。
評価のまとめ
マイナーチェンジで足回りとエンジンの印象は随分と上質になりました。
シート以外は特にこれといった欠点もなく、安くて快適な足車が欲しい人にはオススメできる車です。
特にこの13Fは、価格の割に装備も充実しており、乗り心地も13Fに標準装備される14インチタイヤとの相性が一番です。
シートの相性は個人の体型もありますので、気になる方はディーラーでの試乗をオススメします。
価格
価格 | 1,448,182円(税込み)