【試乗レポート】新型スズキ アルト ワークス [DBA-HA36S] 小さなホットハッチが復活

アルトになつかしいスポーツグレードが復活しました。今回の試乗車はその「新型スズキアルトワークス」です。
初代は1987年ですから、もう30年近く前になります。
軽自動車がコスト重視で選ばれるようになったために、こういったスポーティグレードは減少傾向です。
しかし、アルトはすでに発売されている「ターボRS」というスポーティグレードに加えて、さらにスポーティな「ワークス」グレードを持つことになります。

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外観

ひとめで「新型アルト」と分かる特徴的なデザインです。
デザインのイメージは「柴犬」と「白ご飯」で、普通の美しさ、愛らしさを表現しているそうです。
スズキは元アウディデザイナーの和田さんを起用していたようですが、このアルトにも携わっているのでしょうか?

特徴的なヘッドライトはちょっと意地悪な感じの表情です。ワークス系には似合いますが、ベースグレードはもうちょっとやさしげな愛嬌のある顔の方がいいと思います。
サイドビューは端正なかっこよさを狙って、キャビンを小さく絞り込んでいます。そのおかげで軽自動車にしてはノーズが長く感じられ、スポーティでかっこいいです。
デザイナーは、軽自動車の規格ぎりぎりまで使うハイト系デザインでは、アルトが貧乏くさく見えてしまうと考えたのでしょう。
ぼくは「三菱ekワゴン」や「ホンダNBOX」などの規格ぎりぎりまでスペースを使いながらも、デザインのバランスがとれている車はある意味潔くて好ましいと思います。
クラスレスな道具としての割り切りが気持ちいいからです。
ただこの「ワークス」では、キャビンが絞られている分、ボディが軽量化され活発な走行性能にはプラスです。コンパクトなデザインもスポーティで、このホットハッチによく似合っています。

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内装

ハスラーの「試乗レポート」にも書いたのですが、こういうシンプルな内装は、妙にディティールをがんばって丁寧にすると甘ったるくて饒舌すぎるので、さっぱりとしたプラスチックの素材感を生かした、単調なデザインにした方がかっこいいと思います。機能的には軽自動車らしく使いやすい内装です。
標準でレカロシートが装備されます。がっちりとホールド感があり運転がしやすいです。もちろん硬めでコシもあるので腰痛の心配はありません。
ベースグレードと違い、ブラックのみの内装色です。ターボRSのようなおしゃれなレッドステッチは入りません。

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エンジンとミッション

やる気にさせるエンジンサウンドが楽しいです。
クロスされたミッションと、たっぷりとした低速トルクのあるエンジンは、凄まじい加速感を生み出します。目を閉じていれば軽自動車だとは誰も気付きません。
コクコクと手首だけで決まる、しっかりとした剛性感のある気持ちのいいミッションです。エンジンにピーキーな扱いにくさはありません。低速トルクがあるので日常域でも扱いやすいです。リニアでトルクのつきも申し分ありません。
どこまでも回り続けるような高回転型ではないので、この気持ちのいいミッションを駆使して、テンポよく加速していく乗り方が合います。

足回りとハンドリング

絞り込まれたキャビンによる軽量ボディに、硬めの足回りが組み合わされ、シュアでダイレクト感あふれるリニアなハンドリングです。
基本的な足回りに変更はないですが、「ワークス」のための専用チューニングが施されています。
硬めの足回りは路面の段差や凸凹をガンガン拾います。良く出来たレカロシートがしっかりとこの衝撃を受け止めてくれるので、そんなに不快ではありません。
ただ同乗者によっては多少苦情が出るかもしれません。体調の悪い人やお年寄りの同乗は避けたほうが無難でしょう。
これは本当に好きなひとのための特別な車です。

評価のまとめ

150万円でこのレベルの車が買えるのは日本だけでしょう。
最初からサスやシート、エアロ等が一通りそろっているので、いじるところがありません。
逆に言えば、趣味で徹底的にいじり倒したい人には、その分が無駄になるのでおすすめできません。
ここに来てこの「ワークス」が復活したのはなぜでしょうか?
軽自動車の売れ筋はやはりコストパフォーマンスの高い燃費のいいモデルです。スポーティモデルは粗利は大きめですが、それほど数はでません。
僕が思うに、消費税増額や少子高齢化、軽自動車税増額などで厳しさのます軽自動車市場ですが、こういった個性的なスポーツモデルをラインナップする事で、スズキのイメージを特徴づける戦略の一環かもしれません。

主要諸元と価格

全長X全幅X全高 | 3395mmX1475mmX1500mm
JC08モード燃費 | 23.0km/l
価格 | 1,500,000円(税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)