新型 ダイハツ ミラ【試乗評価】車はMTに限る!という人に [DBA-L275S]


今回は「新型 ダイハツ ミラ X Special(5MT)」を試乗レポート。
2006年にモデルチェンジした、軽自動車の5ドアハッチバック。実に12年の長きに渡って販売される超ロングランモデルで、この他に2007年に追加された商用車「ミラ・バン」もあります。

1980年に発売された「初代ダイハツ・ミラ」は、手頃な価格と燃費の良さ、軽自動車ならではの税金の安さ、取り回しの良いコンパクトなボディが受けて大ヒットとなったモデル。

スズキ・アルトとは、軽自動車のベストセラーを争う好敵手で、性能と販売、2つの分野で激しいデッドヒートを繰り広げていました。

そのミラも今回のモデルチェンジで7代目。プラットフォーム(基本骨格)には、ハイト系ワゴン「ムーブ」と同じものが使われています。

長年に渡って販売を続けるミラ(7代目)ですが、2013年に実質的な後継車となる「ミラ・イース」が発売されています。それにも関わらず、なぜ販売を継続しているのかというと、「ミラ・イースにはMTの設定が無い」という1点につきます。MTには、社用車として使いたい法人やMTにこだわりのある人に根強い需要がありますが、新規モデルを起こすほどの販売量は期待できません。そこで古いミラを細々と継続販売しているという訳です。

2017年にはその「ミラ・イース」も2代目へとモデルチェンジ。つまり「ミラ(7代目)MT仕様」は、都合2世代に渡って継続販売され続けたという事になります。「グレードの隙間を埋めるため」という特殊な事情があるとはいえ、ダイハツにとってはなかなかの孝行娘です。

2018年。12年間の長きに渡って販売され続けた「ミラ(7代目)」もついに販売終了。既に販売されている「ミラ・イース」が後継車の役割を担います(商用車は「ミラ・イース Bグレード」)。

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「新型 ダイハツ ミラ X Special(5MT)」の外観

全長3395mmX全幅1475mmX全高1530mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2490mmとなります。

「普通の軽自動車セダン」といった感じのスタイリング。際立った個性はありませんが、その分、古さを感じさせない控えめで優しい印象が素敵です。

フロント

登場からすでに10年が経過しているとは思えない、モダンで柔らかな印象のフロントフェイス。実質的な後継車である「初代ミラ・イース」と「2代目ミラ・イース」が、ともに直線的なデザインとなったため余計に柔らかさが際立ちます。

サイド

4つのタイヤをボディの端ギリギリに配置して、室内スペースを最大限まで拡大しています。この手のスタイリングは、得てしてサイドパネルがのっぺりとなりがちですが、面の張りやキャラクターラインを工夫することでしっかりとした剛性感を表現。見ごたえのあるスタイリングです。

サイドウィンドウの形が初代ヴィッツを彷彿とさせます。くさび形となってサイドに回り込むリアコンビランプもちょっといい感じです。

リア

フロントから切り上がるように描かれたショルダーラインに、リアコンビランプとリアウィンドウの接点が交わり、リズミカルで力強いイメージを表現。縦型リアコンビランプが良いアクセントになっています。

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内装

広々感のある明るい室内デザインです。AT仕様がライナップされていた当初は、センタークラスターが独立していてちょっと上質なデザインでした。しかし、5MT仕様となるこの現行モデルは、コストダウンのためにセンタークラスターが廃止されちょっとチープな印象です。まあ、基本的に営業車ベースですから仕方ありませんが。

シート

フロントにはコストを抑えたベーシックなシートを装備。座り心地や柔軟性に問題はありませんが、サイドサポートが小さいので身体を支える力が弱いです。といっても、この車の主要な使い道は近隣をチョコチョコと走り回る手軽な足車。30km程度の中距離までなら十分快適に移動できます。長距離向けの高価なシートを装備しても、価格が跳ね上がるだけでメリットは少ないでしょう。

リアシートは、フロントよりも平板でクッションも薄め。背もたれの高さも足りません。ただし、室内空間は広々としており、大人二人で座っても結構な余裕を残します。

静粛性

風切音、ロードノイズともに大きめ。コスト削減と軽量化のため、遮音材は思い切って削減してあります。アクセルを踏み込むとエンジンノイズと振動が増大しますが、普通に走っている分には気にならないレベルです。

荷室

荷室には必要最小限のスペースを確保。家族4人であれば、日帰り旅行くらいは余裕です。さらに背もたれを倒せば、荷室スペースを拡げてステーションワゴンのように使う事もできます。仕事や趣味で使う場合は、このシートアレンジが便利です。

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エンジンとミッション

658ccの直列3気筒DOHCエンジンに、5速MTが組み合わされます。
エンジンは、最高出力58ps/7200rpm、最大トルク6.6kgf・m/4000rpmを発揮。
車両重量は750kg。JC08モード燃費は、24.2km/l。

エンジン

658ccのツインカムエンジンで前輪を駆動(FF)。非力な自然吸気エンジンですが、超軽量ボディと組み合わされることで、そこそこの力強さを発揮します。市街地などの平坦路であれば、力不足を感じることもありません。

アクセルに対する反応もよく、速度のコントロールがしやすい。スムーズに吹け上がる気持ちの良いエンジンです。

急な坂道や高速の合流ポイントでは、エンジンパワーが不足してモッサリとしがち。それでも、積極的にマニュアルシフトをすることで必要十分以上の加速感を得ることができます。こういった使い勝手の良さは、マニュアル・トランスミッションならでは。

カタログ燃費は、最新型のミライース(JC08モード燃費で35.2km/l)と比較すると随分見劣りします。まあ、2世代前の車なのでこのあたりは多めに見てください。

トランスミッション

日常シーンで与えられた仕事を確実に行う信頼性の高いトランスミッション。ただし、ストロークが大きく、フィールも曖昧でゆったりとしているためスポーティな感触はありません。

ブレーキ

ブレーキは踏み応えのあるしっかりとしたフィール。車重も軽いため確実なブレーキングが可能です。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。

ハンドリング

穏やかで軽めのステアリングフィール。やや中立付近が曖昧でしっかり感も薄め。スポーツカーのような軽快感はありませんが、切り増していけば素直に反応する扱いやすさが嬉しいです。

柔らかな足回りが災いして、コーナリング中はボディを傾けやすい。といっても、ロールの出方が自然で予測をつけやすいため、不安感はありません。

乗り心地

高剛性ボディにストロークのたっぷりとしたサスを装備。柔らかで快適、癒し系の乗り味です。

目地段差や橋脚ジョイントでは、路面からの衝撃をまろやかに包み込み、鋭い衝撃を車内に伝えることはありません。その分、高速域では「うねり」の影響を受けやすく、直進安定性を失いやすい。といっても、こういった車でバンバン飛ばすような人は少ないでしょう。

重心の高いムーヴとプラットフォーム(基本骨格)を共有していますが、ミラはムーヴより全高が低く車体の重心も低め。その分ロールの出方が自然で、ドライバーに不安を感じさせにくい。市街地など、中高速域での安定性も高いです。

評価のまとめ

「ミラ」の後継車である「ミラ・イース(初代および2代目)」がAT仕様のみとなったため、そのグレードの穴を埋めるため、ほそぼそと生産が続けられています(2018年に生産終了)。

といっても、この車は価格を抑えた「ローコストモデル」といった位置づけ。デザインや質感、動力性能などに不満を感じることはありません。

室内には、乗用車セダンとして必要十分なスペースを確保。今流行のハイト系ワゴンと比較すれば流石に見劣りしますが、重心が低い事によってもたらされる安定感や自然な動きなどメリットも多いです。

その中でも最大のメリットは、AT全盛の軽自動車市場において、MT(マニュアル・トランスミッション)が選べる数少ない選択肢という点です。

「社用車としてどうしてもMTが必要」とか、「下駄代わりの軽自動車を探しているが、ATに乗るのは嫌」というMT派の人にもオススメしたい一台です。

中古車を安く買う

中古車市場では、2017年式「ダイハツ・ミラ X スペシャル(2WD)」が80万円前後(2018年4月現在)と、ほとんど新車と変わらない値付け。4年落ち2014年モデルの場合は、60万円前後となります。絶版となった事(後継車ミラ・イースにMTは無い)と、値落ちの少ない軽自動車ということもあって、極端な値下がりは期待できない状況です。

新車価格

884,572円(税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時にかけてを予定しています。

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