パーキング・ドライバーとは、その名の通り街のパーキングに常駐している高い専門技術を持った駐車専門のドライバーの事です。
普通のドライバーでは停めることの出来ない、ギリギリの狭いスペースに素早く正確に停車させるという技術を持ちます。
慢性的に駐車場が不足している六本木
東京の六本木では車の台数に対して駐車場の絶対数が極端に少ないため、路上には数多くの違法駐車がみられます。特に金曜の夜から土日にかけては急激に車の台数が増加するため、違法駐車の数が数千台にのぼることもあります。
ある時、こんな状況を見ていた目ざとい業者がいて、狭い駐車場に多くの車を停めるという新しいサービスを思いつきます。
狭いスペースに沢山の車を停める
といっても駐車場の物理的な大きさを変えるわけにはいきませんので、なるべく車と車の間を詰めて停めることで、同じスペースにより多くの車を停めるという方法が使われます。
文章にすると簡単に聞こえますが、実際には隣の車と接触ぎりぎりまで近づけて停めることになるので、ドライバーには相当に熟練された技術と勘が必要になります。
ある六本木の小さな駐車場では、15台の定員に対してなんと28台の車を停めることができるそうです。
利用する車は高級車ばかり
しかも、こういった場所の駐車場を利用するオーナーはお金持ちが多く、乗っている車も高級外車や高級スーパーカーがほとんどです。ちょっと擦るだけで何百万円も損害賠償を請求される可能性があります。特にフェラーリとかブガッティとかいうスーパーカーは極端に視界が悪いことで有名な車です。急にこんな仕事をやれといわれたらそれこそ冷や汗が止まらいでしょうね。
また、車を出す時には列の途中の車だけを出すというわけには行きません。数人のスタッフを使って端から順番に素早く出し入れするという神業のような技術とチームワークが求められます。
高額な人件費
当然ながら求人雑誌で募集したアルバイトにやらせるわけにはいきませんので、それなりに熟練した職人を使うことになります。そんな特殊技術を持った職人がそう簡単に見つかるはずもありませんので、人権費もかなり高くなります。
そのため、こういった高額の人件費を賄うため、その駐車料金も高額になります。最近の駐車場では、30分100円からといったコインパーキングもありますが、この六本木の駐車場は30分500円からというお値段で、半日放置しているだけであっという間に10,000円を超えていまいます。
料金が高くても路駐するよりマシ
それでも路駐していてイタズラされたり、駐車違反切符を切られるよりマシだと、多くの高級車オーナーから高い人気を得ています。
確かに、イタズラされて修理代に何百万も払ったり、違法駐車で罰金と手続きの手間を取られるより、駐車場にちょっと大目に払う方が結果的には安くあがることになります。また路駐している間中、車の状態が気になってヒヤヒヤするという心配もありません。