エンジン冷却水の中には、水だけではなく不凍液と防塵剤が混合されたロングライフクーラント(LLC)が使われています。LLCの寿命は2~3年程度ですので、その都度新しいLCCと交換する必要があります。
交換作業は、ラジエター下のドレンプラグを外して冷却水を抜き、冷却水注入口から水とLLCを混合したエンジン冷却水を注入するだけです。エンジン冷却水の濃度は、自動車を使用する地域の最低気温がクリア出来るように調整します。濃度の調整数値はLLCの入っている容器に記載されています。
また、交換の際は、ついでにリザーバータンク内も合わせて洗浄しておきます。
エンジン冷却水の交換
ジャッキアップしてドレンプラグを外す
まず、車のボディ下部にジャッキを当て、車をジャッキアップします。この際、ジャッキは車の取扱説明書で指定されている場所に当ててください(ボディサイド下側の、小さな切り欠きが2カ所ある場所です)。
ボディが持ち上がったら、「馬(リジッドラック)」をボディ下部に当ててボディをしっかりと固定してください。
ラジエターの下に、予め、エンジン冷却水を受け取るトレーを用意し、ラジエター下部にあるドレインプラグをドライバーで回して外します。
ドレンプラグが外れると、エンジン冷却水が勢い良く流れ出て来ますので、ラジエターの中に冷却水が残らないようにしっかりと排出します。車の種類によっては、ジャッキを下し車を水平にしないと、冷却水がラジエターの中に残る場合もあります。
この時、ラジエターキャップを取ってやると、さらに勢い良くエンジン冷却水が流れ出てきます。エンジン冷却水が完全に流れ出てしまったら、ドレンプラグをラジエター下部の穴に締め付けてこの作業は終了です。
リザーバータンクのメンテナンス
リザーバータンクの冷却水が不足している場合は、水道水を規定ラインまで補充してください。この後、エンジンを動かしてやると自然に冷却水と水が混ざり合います。
また、リザーバータンクが汚れている場合は、エンジン冷却水を交換する途中、リザーバータンク内が空になっている状態で車から外し、中性洗剤で洗ってください。
エンジン冷却水の注入
LLC容器の濃度比率を見ながら、最低気温を考慮してエンジン冷却水の濃度を決めます。濃度が決まったら、ラジエターキャップを取り、冷却水注入口からLLCを規定の量だけ注入してください。この時、LLCをいきなり大量に注入するのではなく、じょうろを使って少しずつ注入してください。一気に入れてしまうと、ラジエター内に気泡が入り、再整備が必要になってしまいます。
次に水道水を同じく冷却水注入口より注入し、注入口内に冷却水が溢れるギリギリの所まで入れます。この水道水もじょうろを使って、ゆっくり注入してください。
その後、リザーバータンクには基準のラインまで水道水を注入します。
ラジエターキャップの交換
ラジエターキャップをチェックし、劣化していたら交換します。
ラジエターキャップのスプリングがスムーズに作動しない、またはゴムパッキンが硬化、もしくは破損したままで使い続けていると、ラジエターに適正な圧力がかからず、正常な冷却性能が発揮できません。