新型 トヨタ・タンク X”S”(2WD)【レビュー】子供の送迎にピッタリ!コンパクトカーの利便性を備えたハイト系ワゴン [DBA-M900A]

新型 トヨタ・タンク X”S”のイメージ

今回の【レビュー】は「新型 トヨタ・タンク X”S”(2WD)」。
2016年に登場した、コンパクトカークラスのハイト系ワゴンです。

小型ハイト系ワゴンというジャンルを独自に切り開き、好調な販売を続ける「スズキ・ソリオ」。「トヨタ・タンク」はそんなソリオを横目に眺めながら開発された車です。

ベースとなるプラットフォーム(基本骨格)には、「ダイハツ・ブーン」および「トヨタ・パッソ」と共通の物を使用。そこにブーン用1.0リッター3気筒エンジン、もしくは新開発された1.0リッター3気筒ターボを組み合わせます。

企画から開発までダイハツが主導的に行い、「タント」など軽自動車技術を集約した車作りが行われています。ちなみにネッツ店およびトヨペット店向けが「タンク」、トヨタ店およびカローラ店向けが「ルーミー」。その他にはスバル用に「ジャスティ」も設定。ダイハツ自身が販売するモデルには「トール」の名称が使われます。

つまり、ダイハツ以外のブランド向けとして3車種がOEM供給されますので、都合4兄弟となるわけです。

※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【レビュー】のまとめ」をどうぞ。

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「トヨタ・タンク X”S”(2WD)」の外観

ボディサイズ、全長3700mmX全幅1670mmX全高1735mm。ホイールベースは2490mm。

フロント

新型 トヨタ・タンク X”S”のフロント

ユニークで力強いフロントフェイス。ぶ厚いノーズに、ダイナミックに広がるフロントバンパー。シルバーに輝く薄型グリル、シャープなLEDヘッドライトを装備。

サイド

道具感あふれるサイドビュー。前後ギリギリに切り詰められたタイヤ・ホイール。スペース効率を最大限に高めた箱型キャビン(居住空間)。力強いラインで刻まれたキャラクターラインが、ボディ全体をキリリと引き締めています。

リア

新型 トヨタ・タンク X”S”のリア

巨大な四角いリアエンドに、縦型リアコンビランプ。シャープに切り上げられたリア・アンダー・スポイラー。重厚感の中にも小気味いいリズム感を表現しています。

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内装

新型 トヨタ・タンク X”S”の内装

直線を基調にしたシンプルで使い勝手の良い室内。ピアノブラック調パネルや華やかなシルバーパーツが装備され、クラス標準レベルの質感を備えます。

センタークラスター最上段には、様々な車両情報を表示する「4.2インチTFT高精度液晶」を装備。その左右にはエアコン吹き出し口が配置され、離れた後席にも快適な空気を確実に届けます。下側には5Lの大容量を誇る「脱着式大型センターダストボックス」を設置。

その直下にはナビゲーション情報などを表示する7インチディスプレイ。エアコンは手探りでの操作も可能なダイヤル式。

Aピラー(一番前の柱)を2つの細い柱に分割しているため、斜め前方の死角も最小限に抑えられます。高いアイポイントと広々とした視界、見切りの良いボディによって狭い場所での切り返しも簡単。運転のしやすい車です。

「助手席オープントレイ」や「カップホルダー」、「買い物フック」、「助手席グローブボックス」」、「フロントドアポケット」など収納関係も豊富。荷物の多い子育て世代に喜ばれそうです。

助手席と運転席の間には隙間があり、ここを通れば後席に行くこともできます。後の人と運転を変わったり、後席の子どもの世話をしたりといった時に便利です。

シート

新型 トヨタ・タンク X”S”のフロントシート

幅のあるフロントシートには、柔軟なクッションを装備。腰から太ももにかけてしっかりと支えます。

新型 トヨタ・タンク X”S”のリアシート

リアシートは、やや平板な形状でクッションも薄目。座面の長さは十分ですが、背もたれの高さはやや低め。240mmのスライド機構によって、足元にはLクラスサルーン並の広々とした空間を確保。大人が足を組んで座っても十分な余裕が残ります。

荷室

リアシートを一番後までスライドさせても、荷室には家族4人で1泊旅行分くらいの荷物は積めます。

さらに「ダイブイン機能」を使ってシートを床下に収納すれば、ステーションワゴンのような使い方も可能。自転車など汚れた物を積む時に便利な「防汚シート」も備えます。

静粛性

加速時はエンジン回転が高まりやすくうるさい 巡航時はそれなりに静か
ターボモデルに比べてノイズが小さい

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エンジンとミッション

996cc・直列3気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、最高出力69ps/6000rpm、最大トルク9.4kgf・m/4400rpmを発揮。

車両重量1070kg。JC08モード燃費は、24.6km/l。

エンジン

1.0Lのツインカムエンジンで前輪を駆動(FF)。やや高回転型の小さなエンジンですが、出足の回転が高まりやすくパワー不足はありません。その分、ラフにアクセルを踏み込むと飛び出しがちで、ギクシャクとした運転になります。優しいアクセル操作が必要です。

市街地など平坦路であれば十分なパワーを持ちますが、急な坂道や高速の合流ポイントではどうしてもパワーが不足してもっさりとします。

トランスミッション

ベルトとプーリーによって無段階に変速するCVTを装備。市街地など一般的な使用であれば違和感は最小限。非力なエンジンをカバーしてスムーズな制御を行います。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、165/65R14。

適度に引き締まった快適な乗り味。目地段差など路面の凸凹では衝撃を伝えがちですが、強化されたボディ剛性によって衝撃を一発で収束させるため、大きな不快感はありません。

足回りの接地性が高いため安定感が高く、速度を上げていっても進路を乱しにくいです。

ハンドリング

穏やかでゆったりとしたハンドリング。背が高く重いボディを安定させるためリアの接地性が高めてあり、キビキビとした切れ味の良さはありません。

それでもドライバーの操舵に対する反応は素直で、自然な動きでノーズの向きを変えます。

コーナリング中は車体を傾けやすいものの、ロールの出方が自然で予測しやすいため、不安を感じさせることはありません。

最小回転半径は、4.6mとコンパクトカーとしても小さく、狭い路地や駐車場でも簡単に切り返すことができます。

その他

先進安全技術は、赤外線レーザーと単眼カメラを使った「スマートアシストⅡ」を搭載。

このパッケージには、衝突を予測して回避、もしくは被害軽減をはかる「衝突回避支援ブレーキ」や、踏み間違いによる急発進を防ぐ「誤発進抑制制御」、「衝突警報機能」、「車線逸脱警報機能」、「先行車発進お知らせ機能」といった機能を装備しています。

【レビュー】のまとめ

「トヨタ・タンク X”S”(2WD)」は、ダイハツが自社の軽自動車技術を活かして企画・製造し、トヨタにOEM供給するコンパクトカークラスのハイト系ワゴン。

ボディサイズの割に広々とした室内と、使い勝手の良いシートアレンジ。空いたスペースを徹底的に活かして設定した数々の小物入れ。両側スライドドアと大きな開口部、低い床による乗り降りのしやすさなど、子育て世代に嬉しい機能が盛りだくさん。

エンジンは高回転型でやや非力ですが、よく制御されたCVTによって日常域で動力性能は必要十分。適度に引き締まった乗り味は快適で、ハンドリングも素直。走りの楽しさはありませんが、日常の足として便利に使うなら申し分ありません。

「子供の送り迎えに使える安価なコンパクトカーを探している」とか、「車は小さくて安いほうが良いが、軽自動車では安全性が気になる」なんて人に最適な車といえます。

中古車市場では

2017年式「トヨタ・タンク X”S”(2WD)」で160万円前後(2018年4月現在)。

新車価格

1,528,200円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)