日本では、毎年、何万台という車が交通事故をおこしています。さらに警察に届けないような自損事故や軽微な損傷を含めると、その数は膨大なものになります。そのため、展示場に並べてある車の中に、こういった修復歴のある車があってもなんら不思議はありません。
ただし、その車が事故車両かどうか、教えてくれる親切な営業マンはそれほど多くありません。展示場に並べられている車は、小さなキズを修復して、ワックスでピカピカに磨き上げられているため、素人がひと目で事故車両と見分けることも困難です。
そこで今回は中古車展示場に並べてある車の中から、「どうやったら素人が事故車両を見分けることができるのか」、見分けるためのコツを解説したいと思います。
素人が事故車両を見分けるには
事故車両を見分ける方法はいくつかありますが、その中でも素人が比較的簡単に見分けることのできるポイントについて4つ程リストアップしてみます。
- (1)ヘッドライトの付け根の状態
- (2)リアエンドパネルやフロントエンドパネルの状態
- (3)ボディパネルの隙間の状態
- (4)やたらと安い値付けの車
自動車が車や壁にぶつかる時、正面から均一にボディがつぶれることはほとんどありません。そのため、左右のヘッドライトのどちらかが、一方的に破損する事になります。
こういう車を修復すると、ヘッドライトやその付け根、ステーやコネクターといった部分に、簡単に見分けられるほどの違和感が発生します。これを左右のヘッドライトで見比べれば、素人であってもすぐに事故車であることが分かるのです。
エンドパネルとは、フロントやリア・バンパーの裏にあるボディパネルの事です。前後からぶつかって事故に遭うと、この部分が一番に損傷を受けることになります。ただし、この部分は表面から観察しているだけでは分かりません。車の下に潜り込んでライトで照らしてみることで初めて確認することができます。この部分に、他と違う色や塗装のムラがあれば、事故車両の可能性が高まります。
事故に遭ってバンパーやボディパネルを補修した場合、そのパネルの継ぎ目に僅かな「歪み」が残ることがあります。特に価格の高い車はこのパネルの継ぎ目が均一ですから、事故車両を見分ける時は便利です。リアコンビランプ周辺やヘッドライト周辺、バンパーなどはこの歪みが生じやすい部分です。
最近は、ネットで中古車を検索すると、車種、年式、グレードの違いによって簡単に車同士を比較することができます。
事故車両を見分ける時も、このネット検索が大いに役立ちます。中古車販売店で目的の車を見つけたら、スマホを使って年式、グレード、距離など、なるべく近い条件の車と比較してみましょう。条件がほとんど同じにも関わらず、大きく値段が下がる場合は、「事故車両」や「水没車」などなんらかの「いわく」が付いた車の可能性が高いです。
念のため「この車は事故車輌ではありません」という一文を書き加えてもらう
また、しっかりと車をチェックした後、意中の車に「事故車両の特徴」が発見できなかった場合も、念のため契約書の中に「この車は事故車ではありません」という一文を書き加えてもらいましょう。
そうすれば、後になってその車が事故車輌である事が判明した場合も、比較的スムーズに別の車と交換してもらう事ができます。