イタリア人の運転マナーを大幅に向上させたEU統合【こぼれ話】

食事とワインを楽しむ女性

最近、イギリスの離脱で話題になる事の多いEU(欧州連合)ですが、この地域統合体が発足した当初、加盟する各国はそれに合わせるように国内の法律を揃って改正しています。

1992年のイタリアでは、そのひとつとして「道路交通法」が改正されています。EUの他の国と政治と経済を統合するにあたり、道路交通法が違えば、大きな混乱を招くことになるからです。

しかし、イタリアの場合はそれまでの法律と、新しい法律があまりにも違いすぎました。そのため、この新しい道路交通法の概要が発表された当初、イタリア国民からは激しい反発の声が上がることになります。

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車と美味しい食事、ワインを愛するイタリア人たち

イタリア人の多くは、週末になると高速道路を使って北へ南へと国中を走り回り、夕方には美味しいイタリア料理と、ワインを浴びるように飲むというのが一つの習慣のようになっています。

そのためEU発足前は、高速道路の制限速度は事実上無いに等しい状態でした。また、シートベルトを装着する義務もありませんし、飲酒運転についても厳しく取り締まられる事はありませんでした。

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新しい道路交通法に大きな不満の声を上げるイタリア国民たち

そんなぬるま湯のような状況から、急に「さあ、これからは高速道路は110km/hまで、シートベルトも義務になるし、飲酒運転も絶対禁止です」などと言われれば、国民から大きな不満が出るのもある意味仕方ありません。

といっても、欧州統合は避けることのできない大きな欧州全体の動きです。小さなイタリア人の声など、なんの力もありません。そのまま新しい道路交通法は、当初の概要通り粛々と制定されてしまいました。

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蓋を開けてみると意外な結果に

あれだけ大反対していたイタリア国民ですから、新しい法律が制定された直後は大混乱が起こると予想されていました。

しかし、蓋を開けてみるとその予想は大きく外れます。以前は我がモノ顔で高速道路をかっ飛ばしていたフェラーリやランボルギーニ、マセラッティといった大パワーを誇るスーパーカーでさえ、当日は実に大人しく110km/hの制限速度を誠実に守って走っていたそうです。

というのも、これには大きな理由があります。交通違反には通常、罰金というものが付きものです。イタリアの場合は、EU統合に向けて力が入りすぎ、この罰金に60万リラもの大金が設定されていたのです。

60万リラといえばイタリアの平均月収のほぼ半分です。いくらスピードと美味しい食事、ワインをこよなく愛するイタリア人といっても、流石にこの出費は大きかったようです。

それ以降、高速道路を暴走する車輌や飲酒運転は大幅に減少、イタリア人の運転マナーも向上したという話しです。

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クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)