今回は「新型 ミニ クーパー クラブマン(F54)」を試乗レポート。
2014年にフルモデルチェンジした6ドアのステーションワゴンです。日本市場では2015年より販売されています。
BMW製3代目ミニがベースですが、クラブマン自体は先代ミニから加えられたモデルのため、今回で2代目となります。
外観
全長4270mmX全幅1800mmX全高1470mmのボディサイズ。ホイールベースは2670mm。
全幅1.8mを超えて、「ミニ」と言うにはちょっと無理がありますねえ。ポロを超えて、ゴルフクラスの風格があります。
フロント
ワイド&ローのスポーティなスタイリング。ミニファミリー共通のフロントフェイスを持ちながら、可愛らしいという感じはそれほどありません。
サイド
ロングホイールベースに薄く長いキャビンが組み合わされ、コンパクトカーとステーションワゴンの雰囲気を併せ持った不思議なシルエットです。
先代は「特殊な観音開きドア」が右側に装備されていましたが、新型クラブマンでは普通のヒンジドアが左右に2枚ずつ装備されるだけです。
リア
薄いリアウィンドウにどっしりとしたリアエンド、古いSF映画に出てきそうなデザインのリアコンビランプが組み合わされ、ちょっとノスタルジックで個性的なリアビューです。
リアゲートには先代クラブマンと同様の「観音開きドア」が装備されます。実用性を考えるなら普通のリアゲートの方が良いのですが、ここはクラブマンの大きな個性ですから問題ありません。
内装
質感の高い樹脂に、メタリック調パーツが組み合わされた上質なインテリアです。
円をモチーフにした個性的で楽しいデザインと、整理された機能的なデザインが両立しています。
シート
立体的でユニークな形状のフロントシート。しっとりとした当たりの良い表皮に、コシのある上質なアンコが組み合わされ快適な座り心地です。
リアシートには頭上、足元空間ともに充分な余裕があります。ただし、座面が少し小ぶりなせいでちょっと落ち着きません。中距離程度の移動であればそれほど気にすることはありませんが。
荷室
幅はやや制限されていますが、奥行きにはたっぷりとしたスペースがあります。
ステーションワゴンとしては少し小さめですが、5ドアと比較すれば充分に広い荷室です。家族4人でキャンプに行っても困ることは無いでしょう。
静粛性
BMW自ら「プレミアム・コンパクト」と呼ぶだけあり、室内の静粛性はクラスの標準を超えています。
エンジンとミッション
1498ccの直列3気筒DOHCツインターボに、6速ATが組み合わされます。
エンジンは、136ps/4400rpmの最高出力と、22.4kgf・m/1250-4300rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1430kg。JC08モード燃費は、17.1km/lとなります。
エンジン
1.5L3気筒ツインターボエンジンで前輪を駆動します。5ドアモデルよりもボディが大きく車重が増しているものの、低速からたっぷりとトルクを発生するため力不足を感じることはありません。キビキビとした走りを楽しむことのできる、使い勝手の良いエンジンです。
さらにスポーティなフィールとパワフルな走りを求める人には、上級の「クーパーS」をオススメします。この「クーパーS」に搭載される2Lツインターボは、低速から野太いサウンドを響かせる、いかにもターボエンジンといったスポーティで楽しいパワーユニットです。
トランスミッション
トルクバンドの広いエンジン特性を活かし、低い回転を保ってスムーズに変速していきます。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。
足回り
ロングストロークとワイドトレッド化により、ミニファミリーの中でも一番の安定性を誇ります。これにストロークの長いサスが組み合わされ、適度に引き締まった上質な乗り心地を提供しています。
低速域ではゴツゴツと路面の段差を伝えますが、衝撃の角が適度に丸められており不快な印象はありません。
ハンドリング
といってもミニならではの「ゴーカートフィール」が失われたわけではありません。切り始めから正確に反応するステアリングと、ドライバーの意図に添ってリニアに向きを変えるボディ。ゆったりとしたストロークの長いサスが相まって、運転の楽しさと快適性が見事な塩梅でバランスしています。
評価のまとめ
大きく立派になったボディは、ちょっと「ミニ」と呼ぶには抵抗があります。
しかし、従来のミニには無かった抜群の操縦安定性と広々とした室内、使い勝手の良い余裕のある荷室は大きな魅力です。
「ミニのスタイリングや走りは好きだけど、もうちょっと室内に余裕があったら良いのに」と考えてした人にピッタリな一台です。
価格
価格 | 3,510,000円(税込み)