今回の旧型レポートは「初代 スズキ スイフト SG(2000年)」。
2000年に登場したコンパクトな5ドアハッチバックです。
ワゴンRプラスとKeiのコンポーネントを使って設計され、Keiに似たクロスオーバーSUV風の外観が与えられています。
といっても既存のパーツをただ組み合わせた安グルマではなく、そのサイズで最適なバランスが取れるようにしっかりとした作り込みが行われています。
この初代スイフトは、当時、提携関係にあったGMのバッジが付けられ世界中で販売されていました。
外観
全長3615mmX全幅1600mmX全高1540mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2360mmとなります。
当時、同時期に販売されていた軽自動車の「Kei」とよく似たスタイリングです。
フロント
最低地上高が高く短いフロントノーズに、角型のシンプルなヘッドライトが装備されます。クロスカントリーSUV風のシンプルで活動的な外観です。
サイド
四隅ギリギリまで追い込まれたタイヤ、SUV風の前後フェンダー、個性的なウィンドウグラフィックスによって楽しさ溢れる外観となっています。ただ、軽自動車「Kei」のイメージをほぼそのまま受け継いでいるため、ちょっと新鮮さに掛けるのが気になりますが。
リア
どっしりとした四角いリアエンドに、小さなリアコンビランプとリアウィンドウが高めにレイアウトされ、力強いSUV風のリアビューを構成しています。
内装
コンパクトな外寸ながら、室内高を高くとることによって広々とした空間を確保しています。
樹脂の質感をそのまま活かしたシンプルで嫌味のないインテリア。機能がしっかりと整理されているため、使い勝手も良好です。目線が高くボディの見切りも良いので、運転がしやすいです。
シート
ざっくりとした肌触りの良いファブリックにコシのあるクッションが組み合わされます。中距離(30km)程度であれば、快適に移動することができます。
リアシートには、大人がなんとか座れるだけのスペースを確保。車高が高いため頭上空間にはたっぷりとした余裕があります。
荷室
全長がそれほどありませんので、相対的に荷室は小さめです。ただし、リアシートを畳む事でかなり大きな容量を確保する事ができます。
静粛性
エンジン音、ロードノイズともに車内に侵入しますが、プレミアムカーではないのでそれほど気になりません。
エンジンとミッション
1328ccの直列4気筒DOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、88ps/6000rpmの最高出力と、12.0kgf・m/3400rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量920kg。10モード/10・15モード燃費は、16.2km/lとなります。
エンジン
1.3Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。低速からしっかりとトルクの立ち上がるスムーズなエンジンです。小さなボディと相まって街中で力不足を感じることはありません。
トランスミッション
少々スムーズさに掛けるトランスミッションです。マニュアルトランスミッションがあればこのスムーズなエンジンを存分に楽しむことができますが、残念ながらこのグレードには設定がありません。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはアイソレーテッド・トレーリング・リンク式サスペンションが装備されます。
足回り
出来の良いシャシーにストロークのたっぷりしたサスペンションが組み合わされ、しなやかな乗り心地と高い直進安定性を両立しています。
ハンドリング
高い車高とストロークの長いサスにより、コーナーの連続するようなワインディングではあまりスピードが出せません。
といってもステアリング自体の設定は、ドライバーの操作に対して忠実に反応する自然なフィーリングです。
評価のまとめ
しっかりとしたシャシーにストロークのたっぷりとしたしなやかなサスが組み合わされ、快適な乗り心地です。
さらに低速からたっぷりと立ち上がるトルク、自然なステアリングフィールに加えて、背の高い広々とした室内空間を併せ持ち、使い勝手の良い実用車に仕上がっています。
アクティブで楽しい外観もこのスイフトの大きな魅力ですが、ほぼ軽自動車「Kei」のスタイリングをそのまま受け継いでいるためちょっと新鮮さに欠けます。
この外観に個性的な魅力が加わればいう事ありませんが、経営資源の乏しいスズキの台所事情を考えると致し方ありませんね。
価格
新車当時の価格 | 1,168,000円