今回の旧型レポートは「初代 ボルボ V70 2.5T(1997年)」。
1996年に登場したMクラスの5ドア・ステーションワゴンです。
バブル当時、日本市場で大人気となっていた「ボルボ850」の後継車種でもあります。
このステーションワゴンの他に、セダン「S70」、クーペ「C70」がラインナップされていました。
外観
全長4720mmX全幅1760mmX全高1460mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2665mmとなります。
ボルボ850のコンセプトをそのまま受け継ぎ、ボルボらしい直線基調のスタイリングが維持されています。
フロント
直線基調のボディに、やや緩やかな表情の角型ヘッドライトが組み合わされます。ボルボ850のイメージをシッカリと踏襲しながらも、より現代的なリファインが施されています。
サイド
サイドビューは先代850とほとんど変わりません。しかし、フロント回りに大幅なフェイスリフトが施され、上質で落ち着いた印象を感じさせます。
リア
重厚感のある端正なリアエンドです。先代850からリア周りの変更点もほとんどありません。こうして全体を通して見ると、モデルチェンジというよりは、ビッグマイナーチェンジといった方がふさわしいかもしれませんね。
内装
質実剛健といったイメージのインテリアデザインです。メーターナセルには大型の3眼メーターが装備され、視認性も良好です。
シート
フロントには、モコッとしたデザインのしなやかなシートが装備されます。適度なコシがあり、長時間ドライブしても疲れにくい構造です。
リアシートはフロントより少し硬めです。広大な室内空間を有効に使って、広々としたスペースを確保しています。
荷室
広大な荷室スペースを持ちます。やはり使い勝手はステーションワゴンボディが一番です。
後部ハッチバックを開いて荷室を眺めていると、「さあ、次の日曜日は何して遊ぼうか?」とワクワクが止まりません。
静粛性
エンジンのバイブレーションがガサツで、車内に微振動が侵入します。
エンジンとミッション
2434ccの直列5気筒DOHCターボエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、193ps/5100rpmの最高出力と、27.5kgf・m/1800-5000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1560kg。10モード/10・15モード燃費は、9.0km/lとなります。
エンジン
2.4Lのロープレッシャーターボで前輪を駆動します。低速域からたっぷりとしたトルクを発揮し、急な上り坂でも楽々と駆け上がります。
ただし、ターボモデルはエンジンの低級なバイブレーションが気になります。街中でゆったりと流すような使い方なら、自然吸気エンジンの方をオススメします。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはデルタ・リンク式サスペンションが装備されます。
足回り
ゆったりとしたソフトな乗り心地。中庸なフィールで乗る人を選びません。高速域では抜群の安定感をしめします。
ハンドリング
ちょっと大味なステアリングフィール。といっても、ステアリングの操作量に対して素直に車が反応するため、違和感はありません。
評価のまとめ
直線基調の伸びやかで重厚感あふれるスタイリングは、現在でも充分魅力的です。
ロープレッシャーターボによるたっぷりとしたトルク。広大な室内と荷室スペースは、850から受け継ぐこのV70の大きな魅力です。
ただし、ターボエンジンの低級なバイブレーションが気になります。そのため、価格を考えるとメルセデスベンツCクラスを買いたくなります。
このV70のスタイリングがどうしても気に入ったという人には、よりバイブレーションの少ない自然吸気エンジンモデルをオススメします。
価格
新車当時の価格 | 5,300,000円