いつの時代も若者の暴走運転は後を絶ちません。自動車保険の料率をみても分かるように、どうやら人間は若いうちは無茶をしたがる生き物のようです。
人里離れた山の中で自分の私有地を使ってスポーツドライビングを楽しむくらいだったら誰も文句は言いません。しかし、こういった若者たちはなぜか人目に付く街中での暴走運転が大好きで、交通事故を起こしたり、器物を破損したり、果ては人に危害を加えることもあります。
今回の交通事故にまつわる「こぼれ話」は、1988年に新潟県のI群S村で起こった、こういった若者たちによる交通事故の話です。
無免許運転で勝手にバンを乗り回す
この村には、普段からあちこちで問題を起こす札付きの高校生グループがありました。このグループには6人の高校生が属しており、その交通事故の当日も村の大工の家に上がり込み、勝手に飲酒パーティをしていたそうです。
酒が進むに従って除々に判断力の無くなってきた若者たちは、この大工の家に置いてあるバンを持ち出しドライブに行こうという話になります。
酒によって気の大きくなったこの若者たちは、バンを村のあちこちにぶつけながら暴走運転を続けます。
村の文化財を壊す
幸いにも人気の無い山村のことだったので、この暴走運転によって人や車を巻き添えにした交通事故は起きていません。
しかし、この後この若者たちは村の誇りともいうべき、国指定の重要文化財につっこみ大きく破損してしまいます。
ここで事の重大さに気付いた若者たちは、バンをその場に乗り捨て、ほうほうの体で逃亡しました。
翌朝、文化財の破損に気づいた人の通報により、もよりの警察署から警察官が駆けつけます。
その後、この警察官により現場検証が行われましたが、乗り捨てられたバンの他には十分な証拠が得られませんでした。そのためこの時は犯人の特定にまではいたらなかったのです。
再び暴走運転を繰り返す若者たち
この事故で味をしめた若者たちは、完全に警察の捜査能力をバカにしてしまいます。この後も、次々と飲酒運転を繰り返し村のあちこちを壊して回ります。
人気の少ない山村といえども、こう頻繁に暴走運転を繰り返していればそのうち目撃者も現れます。ついに乗り回していた車から足がつく事になり、以前に起こした文化財の破壊までばれる事になったのです。
せっかく人気のない山奥に住んでいるのですから、どこか安全な場所を探して自分たちだけで車を乗り回していればこんなことにならなかったはずです。ちょっと考えが足りませんね。まあ、しっかりとした考えがある人たちなら、そもそもこんな暴走運転はしなかったでしょうが。