今回は、「ローバー ミニ メイフェア」をレポートいたします。
このローバー・ミニは、1959年に発売された基本設計の古い車です。2000年まで製造販売が続けられ、40年以上に渡って高い人気を得ていました。
特に日本市場では、そのおしゃれな外観とコンパクトなボディがおおいに受け、モデル末期となっても好調な売れ行きを維持していました。
全長3mあまりの小さなボディに、大人4人がしっかりと座る事の出来る革新的なパッケージングを持つコンパクトカーです。
外観は3ドアハッチバックの様に見えますが、実際はリアに小さなトランクを持つ2ドアセダンとなっています。
外観
全長3075mmX全幅1440mmX全高1330mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2035mmとなります。
クラシックでおしゃれな外観を持ちます。おしゃれな女性であらば上手く乗りこなせそうですが、男性の場合はこのミニに負けないそれなりのキャラクターが必要です。
フロント
クラシックな丸型ヘッドライトにクロムメッキが施されたグリル、コンパクトなボディにしっかりと立ち上がったAピラーが組み合わされ、ミニ独特のおしゃれでかわいく、かっこいい世界観が存分に表現されています。
サイド
コンパクトなボディを最大限に活用するため、4つのタイヤはボディ四隅ぎりぎりまで追い込まれています。キビキビとしたミニの走りを感じさせる、軽快でスポーティなスタイリングです。
リア
テールエンドには小さな樹脂製のリアコンビランプが装備され、メッキモールドのリアバンパーと相まってクラシックな楽しさを感じさせます。
内装
簡素なインパネに3連メーターが装備されていますが、ステアリングに隠れて少し見にくいです。しかし、ミニならではのクラシックな世界感があり楽しめます。
シート
小さくチープなシートが装備されます。「座れればいいでしょ」といった感じの作りで、長時間乗っていると疲れてしまいます。
リアシートも小さいのですが、この狭いスペースに大人二人がなんとか座れるのがミニのすごい所です。
荷室
リアに小さな荷室が装備されています。2人で1泊2日旅行程度であればなんとかこなせそうです。ただし、ハッチバックではありませんので、リアシートを倒して荷室を広げるような芸当はできません。
静粛性
ロードノイズ、風切音ともに、盛大に車内に進入してきます。
エンジンとミッション
1271ccの直列4気筒OHVエンジンに、4速MTが組み合わされます。
エンジンは、62ps/5700rpmの最高出力と、9.6kgf・m/3900rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は720kgで、10モード/10・15モード燃費は、14.5km/lとなります。
1959年当時は848ccの小さなエンジンが搭載されていましたが、モデル末期には1271ccのエンジンに換装されています。
エンジン
エンジンノイズとバイブレーションの多い、古典的なエンジンです。ボディが小さく軽いためパワー不足を感じることはありません。
トランスミッション
小さなエンジンに4速マニュアルギアボックスが組み合わされる事で、キビキビとしたダイレクトな走りを楽しむことができます。
足回りとハンドリング
前輪にウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。
足回り
設計の古いシンプルな構造のサスペンションが装備されているため、ゴツゴツとした荒い乗り心地です。
ハンドリング
当然ながら現代の軽自動車のようなパワーステアリングは装備されませんので、低速域での据え切りは苦手種目です。コンパクトなボディの割に最小回転半径が大きめですから、狭い場所では何度も切り返す事になります。といっても、一度走り出してしまえばステアリングの重さは適度な重量感へと変わり、カートのようなダイレクト感溢れる走りを楽しむことができます。
まあこのような設計の古い車を現代の車と較べてどうこう言うのは、ナンセンスでしかありませんが。
評価のまとめ
ミニは1969年にデビューした設計の古い車です。そのため、走りや安全性能、環境技術などについては、現代の車と比べるとかなり劣ることになります。
ただし、そのクラシックでおしゃれなスタイリングは、同年代となる2000年以降の車の中では、唯一無二の圧倒的な存在感を放っています。加えてその素朴な乗り味も、他の車では得られない格別の楽しさがあります。
設計が古いといってもミニの最終モデルは2000年製造です。クラシックな外観を持つ車の中では、経年変化によるボディの劣化も比較的良好なものが多いでしょう。
車の実用性よりも、おしゃれでクラシカルな外観を楽しみたいという人にピッタリな車といえます。
価格
新車当時の価格 | 1,789,000円