欧州で高い人気を誇るモータースポーツの花形といえば、やはりF1をおいて他にありません。このF1、人気ばかりではなくその周りで飛び交うお金の額も桁外れです。
例えば、チームが企業からスポンサー料として受け取る金額だけで数十億という話も聞かれます。それだけ欧州でビジネスを展開しようとしている企業にとっては、それ以上のアピール効果が期待できる優良な広告媒体ということがいえます。
ただし、どのチームでも同じようにスポンサー料がもらえるという訳ではありません。そのチームの知名度や実力に応じて、支払われるスポンサー料も様々です。
また、F1マシンにはスポンサーのステッカーを貼る場所が大きくわけて15箇所ほどありますが、その場所の目立ち度によって、細かくスポンサー料も区別されています。
1990年の日本グランプリで公募されたスポンサー料
通常、このステッカーのスポンサー料は、スポンサー企業とチームが直接商談するものですから、なかなか表に出て来ることはありません。
1990年、あるF1チームが日本グランプリに出場するにあたってスポンサーを公募した時の資料がありますので、ちょっと紹介してみたいと思います。ちなみにこのF1チームはマクラーレンやフェラーリなどの一流チームではありません。
一番高いステッカーの場所は?
まずスポンサー料が高い所から紹介すると、ドライバーの後方、ヘルメットで乱された空気を整えてボディに滑らかに一体化させる三角の出っ張りです。この部分の側面に貼られるステッカーは一番カメラに映りやすいことから、6500万円の高額なスポンサー料が付けられています。
次に高額なのは、マシン側面、ちょうどドライバーの下側あたりに貼られるステッカーで、スポンサー料は6000万円となります。
逆にスポンサー料が安いのが、ドライバー後ろのヘッドレスト部分にあるステッカーです。その料金は200万円とF1のスポンサー料としては異例の安さを誇ります。ただ、このヘッドレスト部分のステッカー、ドライバーが運転中は全くカメラに映ることがありませんので、お得なのかどうなのかは判断の難しいところです。もし秋ろーがスポンサーなら、もうちょと奮発してノーズ先端部分、400万円のステカーを買いたいところです。
その他に400万円で買うことができるステッカーの場所は、リアウィング側面一番下があります。
シーズン料金は10倍
今回紹介したスポンサーの料金は、日本グランプリ1戦だけの料金です。シーズンを通して同じ場所にステッカーを張り続けようとすれば、この10倍のスポンサー料が必要になります。
10倍といっても当時F1のシーズンは16戦ありましたので、全戦スポンサードする企業にはかなりの割引が与えられていたことになります。例えば、一番スポンサー料金の高いドライバー後方、風防の側面で6億5000万円ということになります。
スポンサー料金が高額な理由
この高額なスポンサー料、高すぎて売れ残ることがあるのかと思いきや、必ず全戦売り切ることができるそうです。
欧州で高い人気を誇るこのF1マシンのスポンサーになれば、常にファンの目にスポンサー名がさらされ続けることになります。
特に人気チームのスポンサーともなれば、その宣伝効果は計り知れません。欧州市場で自社の商品やサービスを売り出そうとする場合、F1
はこれ以上ない効果的な宣伝媒体なのです。数十億のスポンサー料金なんて、あっという間に回収できるという訳です。