最近は車中泊がブームとなっていることもあり、日本中でキャンピングカーの人気が高まっています。
キャンピングカーといえば、大きなボディにゴージャスな内装というイメージですが、軽自動車をベースとした200万円くらいの手頃なキャンピングカーもあります。
こういった軽自動車キャンピングカーの場合、小さいキッチンに簡易型のトイレくらいは設置されていますが、スペースの制約があるためゆったりとしたサイズの湯船は付いていません。せいぜい簡易シャワーが設置されていれば良いほうでしょう。
こういった小さいキャンピングカーの場合、お風呂は温泉やSAの簡易シャワーを使い、トイレもなるべく公衆便所かコンビニなどのものを使ってしのぐ事が多いという事です。
お風呂に入れるカスタマイズカー
ダイハツ工業第一ボデー課の倉田さんが開発した「お風呂カー」は、こういったキャンピングカーとは少し違いますが、大人二人が浸かることのできるたっぷりとした湯船が搭載され、どこでも露天風呂気分を味わうことのできる楽しいカスタマイズカーです。
このお風呂カー、四輪駆動車の「ラガー」をベースにハンドメイドでカスタマイズされています。普通のキャンピングカーであればお風呂は後部座席に取り付けています。ところがこのお風呂カーの場合、なんと助手席と運転席がお風呂になっています。
まあ、運転中に湯船にお湯を張るということは無いでしょうが、なんとも強引で楽しいカスタマイズです。
運転席と助手席周りには檜風呂をイメージした白木が張り巡らされ、ボディ全体には岩風呂をイメージした発泡スチロール製の岩でコーディネイトされています。
さらに野趣あふれる露天風呂のイメージを演出するため、ところどころに観葉植物の緑が彩られているという凝りようです。
発想の原点はダジャレ?
このカスタマイズカーは、1988年にダイハツ工業が設立80週年を記念して開催したアイディアコンテストで出品された車です。
制作費にはわずか15万円しか掛けられていませんが、普通のキャンピングカーと並べても遜色の無い高い完成度を誇ります。おしくもフランプリは逃しましたが、話題性にかけては出品作品の中でナンバー1でした。
ただ不思議なのは、「なぜ4WD車をお風呂カーにカスタマイズしたのか」という点です。
倉田さんによれば、『4WDといえば、オフロードでしょ。オフロードと聞いて「お風呂カー」だぁ!一発でひらめいたんですよ。』との事です。
軽自動車のキャンピングカーでさえ数百万円かかるところを、わずか15万円で仕上げるなんてさすが自動車のプロだけあります。
ただ、ダジャレのセンスはちょっと残念な感じですが・・・