ランボルギーニ・カウンタックといえば、秋ろーが小学生だった頃、日本中の子供が憧れた超弩級のスーパーカーです。
特に「LP500S」といわれるハイパワーバージョンは、リアに巨大なウィングが装備されており、子供心にグサグサと突き刺さるとてつもなくかっこいい車でした。
ランボルギーニ・カウンタックのかっこよさは、シャープなスタイリングと、ロー&ワイドなプロポーション、跳ね上げ式のガルウィングと呼ばれるドアにその全てがあるといったも過言ではありません。
※写真は本文と関係ありません(ランボルギーニ・ウラカンです)。
カウンタックのかっこよさを台無しにするリムジン
この超かっこいいスーパーカーを、何の気の迷いか4枚ドアのリムジンに改造したアメリカ人がいます。
リムジンに改造するにあたってホイールベースは2倍以上に伸ばされ、ガルウィングも2枚から4枚に増設されています。
その結果、かっこいいプロポーションはだらしのないダックスフンドのような寸胴となり、飛行機の羽根のように美しかったガルウィングはカブトムシやセミのようにユーモラスな4枚羽に成り下がってしまいました。
快適装備が満載
ただし、あくまでもリムジンとして作られた車であるため、車内には豪華なインテリア装飾や自動車電話、冷蔵庫、テレビといった快適装備がふんだんに設えられています。スーパーカーとしての性能も維持されており、V型6気筒DOHCエンジンによって375馬力を発揮します。
このアメリカ人にどうしてこんな突飛なリムジンを作ったのかと尋ねると、「だって面白そうじゃない?」という一言だけだったそうです。
この突飛なカウンタックのリムジンを作るには、ベースとなるカウンタックの他にもう一台、どう考えてもパーツ取り用のカウンタックが必要です。
加えて、車内の改造費などを考えるととんでもないお金が掛かっているに違いありません。それを「面白そう」という一言でさらりと片付けるなんて、発想のスケールもお金に対する価値観も桁違いにどでかい男です。
実用性のあるスーパーカーが欲しい
このスーパーカーのリムジン、なぜか世界中のお金持ちに人気で、フェラーリやポルシェといったスーパーカーをベースとしてカスタマイズされたリムジンが世界中に存在します。
スーパーカーのメーカーもこういったお金持ちの「スーパーカーにもう少し実用性があったら」といった嗜好を敏感に感じ取っています。
といってもロングホイールベースのリムジンを開発しているわけではなく、4ドアセダンやハッチバックといったスポーツカーよりもちょっと実用性のある車として開発しています。
続々と市販化される実用的なスーパーカー
ポルシェからは、4ドアセダンの「パナメーラ」と、SUVの「カイエン」に「マカン」。
フェラーリからは、フル4シータークーペ(形式はハッチバック)の「GTCルッソ」。
ランボルギーニからは、SUV「Urus」と4ドアセダン「エストーケ」のコンセプトカーが発表されています。
ランボルギーニの場合はコンセプトカーの発表のみですが、SUV「Urus」の市販化はかなり現実味を帯びています。対する4ドアセダン「エストーケ」は2008年の発表からすでに10年近くが過ぎていますので、このままの形で市販化されることはないでしょう。