名義を貸している時や、前に乗っていた車の名義変更が遅れている時、その車で第三者が事故を起こした場合、事故の責任は誰に負わされるのでしょうか?
名義を貸している時
一般的に、車の所有者以外の人が登録のために名義を貸している時、その名義人にも損害賠償の責任が負わされる事になります。
自動車の運転は、人身事故に繋がる場合もあるリスクの高い行為です。事故の時には損害賠償のために高額のお金を請求されることになりますので、気軽に名義を貸すのはやめましょう。
家族の車の場合
家族の場合は、その車の「運行共用者」か誰かという事が問われます。
運行共用者とは、「その車の運行を支配し、その車から利益を得ることができる者」のことです。
例えば、子供の名義ではローンが通らないといった時、親の名義を使って車を登録する事はよくあります。
住居がまったく別のところにあり経済的にも完全に自立している子供が、親の名義だけを借りて車の登録をしている場合、親はその車の「運行共用者」ではありませんので、事故の際の責任を問われることはありません。
子供が同居していて、親もその車を使うことができるとか、ローンの一部を親が払っているとか、駐車場を無料で親が使わせているといった場合は、親も「運行共用者」として事故の責任を問われる可能性があります。
子供に損害賠償の支払い能力が無い場合、親が肩代わりして払うかどうかといった事については、法律とは別の道義的問題として自分の良心に従って判断する必要があります。
友人同士で車をシェアしている場合
友人と二人で車を共同購入している場合、二人同時に名義人として登録することは出来ません。どちらか一人が代表して名義登録することになります。
こういった共同購入の車で事故を起こした時、損害賠償の責任が負わされるのは名義人です。
自動車保険も名義人の名前で登録しているはずですから、自動車保険を使って支払うのも名義人の責任になります。自動車保険の賠償額を超える損害賠償が発生している場合、その超過分も名義人が支払います。
これでは名義人は割が合いませんので、車両を購入する前に、「事故が起きた時はどちらがどれだけ払うか」という事についてあらかじめ話し合っておいた方がいいでしょう。
昔の車に名義が残っている場合
なんらかの理由で、売り渡した車に自分の名義が残っている場合、その車を譲渡した事が証明できれば、事故の損害賠償を請求されることはありません。
これは、分割払いによって販売された自動車に、売り主(ディーラー)の名義が残っている場合も同様です。売り主は車を販売した事によって、「運行共用者」として運行を支配したり、車から利益を得ることが出来なくなっているからです。