ガソリンスタンドには、テレビCMなどをバンバン流して名前が知れ渡っている「有名ガソリンスタンド」の系列店と、地域独自の小さな会社が運営している「無印ガソリンスタンド」と呼ばれる2つの系統があります。
またその中でも、給油から支払いまで全てガソリンスタンドがやってくれる「フルサービス店」と、何から何まで全部をお客が行う「セルフサービス店」があります。
これらのガソリンスタンドで、ガソリンを給油していて気付いたのは、ガソリンが比較的安く売れらているのは多くの場合「セルフ方式の無印ガソリンスタンド」だということです。
安さだけなら、どのガソリンスタンドが一番お得か一目瞭然ですが、ガソリンの場合は目に見えない「品質」という問題があります。
そこで今回は、どのガソリンスタンドで入れるのが一番お得なのか、ガソリンスタンド業界の変遷を含めて解説します。
目次
- 1987年以前のガソリンスタンド業界
- 規制撤廃
- セルフサービス店の増加
- 無印ガソリンスタンドのガソリンが安い理由
- 中にはガソリンの品質を下げて利益を出しているお店もある
- 「満タン法」によるガソリンの品質チェック
- ガソリンスタンドに給油しているタンクローリーを見る
- 品質の高いガソリンを入れるのが一番お得!
1987年以前のガソリンスタンド業界
現代の日本においては、ガソリンスタンドが新設されたり廃棄されたりする事は基本的に自由ですが、1987年以前はガソリンスタンどの新設に対して厳しい規制がかけられていました。
そのため競争原理が働かず、ガソリン価格が高値で安定してしまうという問題を抱えていました。ガソリンスタンドが規制にあぐらをかいて、価格競争原理が働いていなかったのです。
規制撤廃
そこで価格に競争原理を働かそうと政府が実行したのが、1987年から1933年にかけて順次実行されていった「規制緩和プログラム」です。
これにより、事実上ガソリンスタンドの出店を規制するものは何もなくなり、他業種の企業が続々とガソリンスタンド事業に乗り込んでくるようになります。その結果、無印系ガソリンスタンドが大幅に増えることになったのです。
ただこれはその後のガソリン価格競争の激化を招き、ガソリン価格がその地域の状況と世界情勢の間に挟まれて、大きく変動するようになります。
その影響を受けた既存のガソリンスタンドは、経営体力のないお店から続々と閉鎖されていき、ガソリンスタンド業界は冬の時代を迎えます。
セルフサービス店の増加
この市場激化に合わせるように現れたのが「セルフ方式のガソリンスタンド」です。
それまで法律により規制されていた、セルフ方式のガソリンスタンドは、1998年の規制緩和により新設が可能となります。セルフ方式のガソリンスタンドは人件費が少なくても運営できるため、厳しい経営の続くガソリンスタンド業界に瞬く間に広がっていきます。
また、人件費が少なくてすむため、フルサービス店よりもガソリン価格は安くなる傾向にあります。
無印ガソリンスタンドのガソリンが安い理由
有名ブランドを掲げるガソリンスタンドは、その系列から直接ガソリンを供給していますが、無印ガソリンスタンドの場合は、様々な供給先からその時の状況に応じて一番安いガソリンを供給しています。
また、廃業したガソリンスタンドがあれば、そのお店で余ったガソリンを買い取り市場価格より安く仕入れるという裏技もあります。
ですから基本的に無印ガソリンスタンドで売っているガソリンも、有名ガソリンスタンドで売っているガソリンも品質の違いはほとんどありません。
中にはガソリンの品質を下げて利益を出しているお店もある
ただ、これは基本的に同じというだけで、一部には品質の悪いガソリンを安く売っている業者もあるので注意が必要です。では、普通の消費者が品質の高いガソリンを安心して買うにはどうすれば良いのでしょう?
黙って有名ガソリンスタンドのガソリンを入れておけば良いのでしょうか?なるべく価格の高いガソリンを入れるのがベストでしょうか。
「満タン法」によるガソリンの品質チェック
実は普通の人でも簡単にできる、ガソリンの品質を確かめる確実な方法があります。それは、「満タン法」による燃費のチェックです。計算がめんどくさいという人は車の「オンボードコンピューター(燃費計)」を確認するだけでも十分です。
満タン法の計算方法は、一度満タンまでガソリンを入れ、そこから次の給油までの間の走行距離を測り、次に満タンまでガソリンを入れて、その時のガソリン量で前に測っておいた走行距離を割るというものです。
具体的に説明すると、走行距離が100kmで給油量が10Lの場合、満タン法による燃費は10km/Lとなります。
これをそれぞれのガソリンスタンドで行い、その数値を比較すればどちらのガソリンの品質が優れているか簡単に知ることができます。
ただ、前のガソリンがたくさん自動車のタンクに残っていると、正確な比較ができませんので、給油の際はギリギリまでガソリンを使いきり、2回か3回連続で同じガソリンスタンドで給油してから、次のガソリンスタンドを調べた方がいいでしょう。
また、オンボードコンピューターの場合は、給油ごとに燃費計をリセットする事でそれぞれのガソリン品質を比較します。前のガソリンがタンクに残らないように注意するのは「満タン法」と同じです。
ガソリンスタンドに給油しているタンクローリーを見る
その他には、有名ガソリンスタンドの系列店であっても、品質の低い安いガソリンを仕入れている場合があります。一般的に有名ガソリンスタンドの系列店であれば、そのブランドの付いたタンクローリーがガソリンスタンドに給油しますが、コストの安いガソリンを仕入れようとすれば、何もマークの付いていない無印のタンクローリーから仕入れるしかありません。
もちろん始めに書いたように、無印だからといってガソリンの品質が低いということはありませんが、ブランド付きのタンクローリーが品質の低いガソリンを仕入れることはありませんので、可能性の一つとして頭の片隅に置いておいてください。これと、「満タン法」との組み合わせによってより精度の高いガソリン品質の見極めが可能になります。
品質の高いガソリンを入れるのが一番お得!
いくらガソリンが安くても、品質が低く燃費が悪いとかえって燃料コストが高くなるという場合があります。
また、低品質なガソリンをいつも給油していれば、当然ながら自動車に悪い影響が蓄積されていきます。
つまり、「一番お得なガソリンを入れる」には、満タン法で燃費を計算しておき、「品質の高いお店の中で一番価格の安いところ」を狙って給油するのがベストという事になります。
秋ろーの近所では、今のところ「有名ガソリンスタンド」で入れるのが一番お得のようです。