プライヤーとは
プライヤーは、自動車整備のほかに家庭でも使われることが多く、一般の人にも馴染みのある工具の一つです。
ものを引っ張ったり、掴んで回したりと色々な作業に柔軟な使い方ができます。その反面、挟み込み部分ががっちりと同じ形で固定されていないため、不用意にボルトやナットを挟んで回してしまうと、「山」をなめて破損してしまう恐れがあります。
汎用性が高いため、自動車用の積載工具の中に含まれることが多いです。また、正式名称をコンビネーションプライヤーと言います。
使い方
先端部分を大きく開いてジョイント部分をスライドさせると、先端の開く大きさを自由に変えることができます。ただ、先端部分を大きくすると完全に閉じることができなくなります。ペンチに形が似ていますが、このスライド機構のおかげでペンチより大きな物を挟むことができます。
自動車のゴムホースを固定している金属製のバンドをはめたり外したりする時には、どうしても必要になる便利な工具です。
ジョイント部分に近い根元では、針金を挟んで切断したり、強くねじって鋭角に曲げたりすることができます。ただしこの機能を使うには、ジョイント部分をスライドさせて、先端部分を一番小さくしておく必要があります。
ウォーターポンププライヤーとは
プライヤーの一種に「ウォーターポンププライヤー」という工具があります。この工具は、先端部分が通常のプライヤーより大きく開くため、プライヤーより大きな物を挟むことができます。
使い方
通常のプライヤーと同様に、先端部分を大きく開くことでジョイント部分をスライドさせて、先端部分の開く大きさを自由に調整することができます。また、調整幅が大きいため、スライド段数も5〜7段とプライヤーよりも多く設定されています。
ウォーターポンププライヤーという名前からも分かる通り、本来は水道管工事のために考えられた工具です。そのため、先端部分には40度程度の角度が付けられ、狭い場所でも快適に作業ができるような工夫が施されています。
このウォーターポンププライヤーがよく使われる場所は、ブレーキキャリパーのピストン部分です。ブレーキのピストンを押し戻すには、この工具がどうしても必要になります。
ただ、先端部分が大きく開くため、通常のプライヤーよりも先端部分の保持力が弱く、ガッチリと物を固定して回すことが苦手です。そのため、ボルトやナットを挟んで回そうとすると、多くの場合「山」をなめて破損してしまう事になります。