マニュアルからデュラルクラッチヘ、移り変わるスーパーカーのトランスミッション【コラム】

一時期、ごく限られたスポーツカーだけの装備であった6段式のマニュアルトランスミッションですが、フェラーリ、ランボルギーニがあいつで開発をやめてしまい、今やデュアルクラッチ式ATやティプトロニック式ATのみのラインナップとなっています。

また、残るポルシェもいずれはマニュアルトランスミッションを廃止し、完全にATのみとなる予定です。

マニュアルが廃止された大きな理由は、燃費の改善のためと言われていますが、実際はユーザーニーズの低下なども大きいと思います。現に、街中を走っているこれらのスーパーカーはゆるゆるとまるで高級車のような使われ方です。マニュアルトランスミッションを楽しむとうよりは、自分の成功の証として、いわばステータスシンボルとして乗っているのでしょう。

また、よく言われるところではF1カーなど世界最高峰のレーシングカーおいても、マニュアルトランスミッションはすでに廃止されており、実際に走らせる場合でも最新型のATを使った方が、人間が直接操作するよりも速く走れるということもあります。

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多段式マニュアルトランスミッション全盛期

このように徐々に衰退していく多段式のマニュアルトランスミッションですが、一昔前は、ごく限られた高級スポーツカーだけに許された贅沢な装備でした。

当時、フェラーリを始めポルシェ、ランボルギーニと次々と有名な老舗スーパーカーが、6速マニュアルトランスミッションを乗せていた時代がありました。その後日本の高級スポーツカーも、スープラ、GTOと後を追うようにゲトラグ製の6速MTを搭載していました。

本来、ポルシェのターボエンジンはトルクが太く、多段式ギアをそれほど使わなくても、そのトルクだけで十分スムーズに走る能力があります。
場合によっては、2速で発進し、4速、6速と1速飛ばしにシフトしてやることも可能なほどです。

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多段式マニュアルトランスミッションのメリット

それなのになぜ多段式マニュアルトランスミッションが搭載されていたのかというと、その理由の一つは車を意のままに操る楽しさのためです。

少ないギア数で十分走れると言っても、ドライバーの技術で最適なギアと回転数を選択しながら走るというのは、スポーツカーを運転する大きな喜びです。

もう一つは、高速走行時の燃費向上です。6速マニュアルの場合、普段の走行で6段目ギアはあまり使いません。6段目ギアが真価を発揮する場面は、高速走行時、エンジンの回転を低く保ちながら走り、エンジンの負荷を少なくしてやることで燃費を向上するという使い方です。またこの時は、ハイスピードでありながら非常に静かに巡行することができます。

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多段化すれば速くなるというわけではない

では、どんな車でもギアをどんどん多段化してやれば、最高速度をどんどん高速化することができるのでしょうか。もちろん、そう単純にはいきません。車の最高速度は、その車のエンジン特性やミッション、重量、空気抵抗などが複雑に組み合わされて決まります。場合によっては6速ギアの時より5速ギアに入れていた方が速いということもあります。これは高速巡航用の6速ギアより、5速ギアの方が駆動力が高いためです。

マツダの6速マニュアルトランスミッション

そんな高級スポーツカーのためだけの装備であった6速マニュアルトランスミッションも、今は徐々に廃れ、スーパーカーで採用されることも少なくなっています。ところがなぜかマツダの量販グレードに標準装備されるようになっています。

これは、単純に量販車に搭載されるほどコストが下がったというだけではなく、マツダのスポーティなイメージを打ち出すためのブランド戦略のためといった方が正しいでしょう。他社が徐々にマニュアルの搭載を減らしている中でのグレード拡大ですから、ユーザーへ与えるインパクトも当然大きくなります。

まとめ

現在、多くの高級スポーツカーに搭載されているデュアルクラッチ式トランスミッションは、マニュアルトランスミッションのダイレクトな操作感、燃費の良さと同時に、オートマチックのイージードライブ、マニュアル以上の走行性能という具合にスポーツカーとしての欠点がほぼありません。

しかし、やはり世界最高峰のスーパーカーのトランスミッションが、オートマだけというのはちょっと寂しいですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)